イカです。
さて、どんなエンジンでもオーバーサイズのピストンと言うものがリペア部品で存在しますが、CRMの場合オーバーサイズは存在しません。そのかわりピストンとシリンダにAタイプ>Bタイプ>Cタイプの3種類が存在します。しかし、これらはオーバーサイズではなく生産の合理化の都合で生じた『加工誤差』なんです。いろいろ調べた結果、一般的に出回ってるCRMの殆どがBタイプでありAタイプ・Cタイプはほとんどお目にかかる事が無いようです(たとえば初期ロットとか)。
私のCRM250RR(MD24-140の4型)はBタイプ(印が見当たらなかったから予測だけど・・)だからBタイプのピストンを入手した訳だが、気になるAタイプピストン・・・そんなもの存在するのかと思いきや・・・

ドドーーン
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じゃじゃ~ん!
これが幻のAタイプピストン寸法65.965~65.970(公差0.005)!
(幻じゃなくて、需要が無いだけ)
Bタイプと比べてみました↓
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右が標準的なBタイプ
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もう全く違いがわかりません(笑)
ちなみにBタイプピストンの寸法は65.960~65.965(公差0.005)。
解りました?AタイプはBタイプより規格の幅が0.005大きく出来てるんです。Bタイプのシリンダー内径の設定は66.035~66.040であり、Aタイプシリンダーの内径設定が66.040~66.045であるため、こんな発想はどうだろうか?

仮に・・・・
『2万キロ走ったCRMのBタイプシリンダーの内径を測定してみたら60.041だった』

これはありえない話では無い。Bタイプシリンダの内径上限が66.040であるから、66.039というハズレシリンダーも存在する訳だ。0.001なんて2万キロも走れば簡単に無くなってしまう。

『Aタイプピストンと対のシリンダーはAタイプシリンダーである(マニュアルより)』

だったら2万キロ走ったBタイプシリンダをホーニングしてAタイプの寸法に仕上て、Aタイプピストンを突っ込めば新品同様ってことになるんじゃないのか?ホーニング(研磨仕上げ)はクロスハッチを入れる方法であるが、確実にシリンダは削れる。
どうかなコレ!いいアイデアだと思ったが・・・駄目かな?
どちらにせよコレを実行するには、シリンダゲージ(持ってる)と50-75マイクロゲージが必要である・・無駄な出費?。


前置きが長くなりました!(これで〆た方がよかった?)
さてさて、前回クランクケースにクランクシャフトをインストール(圧入)する事ができたので外した物を組んで行きます。
まずは~クラッチ側のクランクケースに洗浄したミッションをごっそり挿入。
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4型(RR)で注意しなければならないのが、シフトセンサーである。RRはシフトセンサーとチェンジシャフトの位置が決まっていてセンサーの凸とシャフトの凹がうまく組み合わさるようにセットしなければならない(というのは組み方の問題でシフトセンサーをミッションを組んだ後に取り付ければ何の問題もないのに、センサーが抜けないから手抜きをしてる私が悪い(笑)←長い)
ミッションを組んで液体ガスケットを塗りガスケットをセットします。ガスケットは社外の『アテナ』製。
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ちなみに私が使ってる液体ガスケットはスリーボンドの1207Cです。これは本当に水冷エンジン専用といっても過言ではない耐熱・耐油・耐燃料・耐LLCの高品質のガスケットです。
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モンゴリ仲間の竜さんがもっと高品質のガスケット(おそらくTB1207B)もあると情報もいただいたのですが、エンジン分解して食ってた頃からコレを愛用しているので今回はこいつで用を済ませます。

クランクケースを合体させる前に重要なのがクランク軸のクラッチ側にあるOリングなのである。
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当然サービスマニュアル上では都度交換部品なのだが、

廃盤

であるvvvv
しかし、寸法から検索したところNOKから同等品がリリースされてることが発覚!用は規格品なのね~。フッ素系のOリングで機械的要素は問題ない、むしろ更に良い?NOK品番は4DS25で左が純正、右がNOKの使えると思われるOリング(寸法は同等)↓
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フライホイール側のクランクケースに液体ガスケットを塗って(厚塗り厳禁)
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合体!合体!合体!←釣りバカvvv
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この合体の儀式はどのエンジンでも緊張する!!部品の組み忘れは無いか?どこかに勘合不良はないか?異物は入って無いか?軽くケースを押し込んで『スポッ』と入ると安心するわ~~vvv
ケースが納まったらクランクケースのボルトを締めてゆきます。ちなみにホームセンターで見つけたこのロングなグリップレンチがめっちゃ使いやすい♪全種類揃えちゃおうかな♪
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ここが重要で、ケースのボルトを締めたら必ず

動作確認

をしましょう!!!
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クランクは軽く回るか、ミッションのメインシャフトを回しながらギヤが適切にチェンジされるか、クランクケースがしっかり勘合されているか、この確認はエンジンに限らず稼動部を分解組み立てしたら必ず行いましょう!重要ですよ!後で後悔しても知りませんよ~~~vvvv

そして、クランク軸のクラッチ側にオイルシールを入れます。このオイルシールは後入れでも先入れでも構いません。
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そしてこのオイルシールは専用部品なので欠品になったらその時点で終わりです。オイルシールなので溝の部分にグリースを封入しないといけなのですが、特にグリスの指定はないのでリチウムグリス(私はウレアグリスを使ってます)で良いのですが、高回転部のオイルシールはモリブデングリスを半々で混ぜた方が良いと聞いた事があるのでウレアグリスとモリブデングリスを混ぜた物を塗布しました。
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実際これが本当に良いのかどうか不明なので良い子は真似しないでくださいねvvv

CRMの場合、まず先ほどのOリング部に
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カラーが入り
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オイルシールが入ります。
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Oリングはクランクシャフトとカラーのシールが目的であるため、仮にOリングが劣化するとそこからミッションオイルが流れ込む可能性があります、必ず交換しましょう。
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まァここまで来ても相変わらず部品の発注忘れやらきがつかなっかた物が多くで毎週毎週ホンダの店に部品の手配と雑談に行ってる訳でvvvv
しかしながらエンジンの完成の先が見えてきた!もう少し♪
次回はクラッチ周りを組んで行きます♪
ではまた!

アディオス・アミーゴ!