父が亡くなった年の大晦日のこと。
12時を回って新年のご挨拶後、
母はY子ちゃんたち親戚みんなでわいわいと初詣へ
弟は友だちと海へ
王女はひとりのんびりお風呂へ〜
湯船の中でぼうっとしつつ、
のんびりしていた時でした。
隣のトイレから、
ガタガタゴトゴト
大きな音がしはじめたのは。
父のためにトイレはお風呂はもちろん、
すべてバリアフリーになっていました。
王女は湯船の中でパタッと動きを止めました。
(ど、ドロボウ)
うそでしょ〜マジで〜
ガタゴト何かをいじっている音は続いています。
王女は音がしなくなるまでじっとしていました。
その間に眠っていたようで、
気づくと30分以上経っていました。
音は聞こえてきません。
慌てて着替えて隣のトイレを覗き込むと……。
誰もいません
物を動かした形跡もありません。
置かれたままです
そのまま玄関、勝手口、
2階にも上がってすべの窓を確認しましたが、
どこにも異常なし
いったいあの音はなんだったの?
それからしばらくして、
見える友人から、
「お父さんが31日に王女のとこ行ったでしょ?
本当にここから離れるから、
王女にサヨナラ言いに行ったはずだよ。
それまであちこち見て回ってたみたい」
そ、そうなんだ〜
確かに、思い返してみると、
父は夜中の12時を回った時間に、
いつも車椅子でトイレに来るのが日課でした。
そっか。
生前の同じ時刻に、
ガサゴソとわかるようにやってきたのね
それ以来、
王女は家で物音を聞いたことはありません。
やはり、あれは、
父のさよならだったのだと思います
でも、
夜中は怖いぞ