細胞診とCT、そしてエコーを取って
ようやくお目当てのK先生にお会いできた。

最初の個人病院、
そして前回のK大の先生とは違い
K先生は知人から聞いていた通り、
とても穏やかなオーラをもった素敵な方だった。

物言いが優しくて丁寧だから、
こちらも素直に説明を聞くことができた。

結果は悪性。
しこりの大きさは触診では5cm、
エコーでは4cm。
CTとエコーでは、リンパへの転移が疑われるとのこと。

この大きさでは温存手術は難しく、
全摘手術が望ましいとのこと。

とてもゆっくり、丁寧に説明をして下さるので
ショックではあるが、落ち着いて話が聞けた。

この先生なら・・・と、
今一番気になる質問を静かにぶつけてみた。

『先生、私なりの思いがあり
抗がん剤を使いたくないと思っているのですが、
もし私がそれを望んでも、先生は受け入れてくれますか?』

答えはイエスだった。
ほっとした。

先生はそのあと、乳癌の種類の話をしてくださり
抗がん剤がよく効くタイプと、
ホルモン治療が効くタイプがあると教えてくれた。

そして、もし私の癌がホルモン治療が効かないものであれば、
手術の後に施す治療がないことも伝えてくれた。

私の場合、リンパに転移している可能性が大きい。
なので、本来は抗がん剤で癌を小さくしてから
手術をすることが標準らしい。

ただ、K先生は私の意思を尊重してくださる。
上から目線で話すことはせず、
私の話を素人扱いせず受け止めた上で
先生の考えを押し付けず話してくれた。

とてもいい先生に出会えたと思う。

もしかしたらホルモン治療が効くタイプかも?
との確立にかけて生検をした。

生検とは、胸に太めの針を刺して
直接癌組織を抜き取り、
私の癌がどのタイプかを判断する検査。

・・・痛そうよね?

実際は麻酔をしてからするので
痛みはなかったんだけど、
でもやっぱり怖かったわぁ。

生検をすると癌が怒りだすって話をきく。
寝た子を起こすらしい。
起こしてしまったかな?ってちょっと凹む。
起こしてしまうと、急激に癌が大きくなったり
散らばったりするんだって。
こ、怖い・・・

そして、手術の日が決まった。
2015年3月26日。

少し先なのは、息子が春休みになってからに
して欲しかったからわがままを聞いてもらった。

少し時間があるから、いろいろ準備も心づもりもできるしね。
そして退院の日に桜が満開って素敵じゃない?

あとね、
自分の左胸ともう少し長く一緒にいたかったから。

手術までの検査スケジュールを決め、
一番最後に勇気をだしてこう切り出した。

『先生の事は信頼しておりますし、
今後の事も是非先生にお願いしたいと思いましたが、
何せ、自分にとって大きな事で、納得できるまで
いろいろ調べたいと思うので、
念のためセカンドオピニオンを受けたいと思っているのですが
診断データーは貸出しして頂けますでしょうか?』

『そうですね、それもいいと思います。』

そういって快く診断データーをCDに焼いてくださった。
その上、

『相手の先生にお手紙かかなくてよいですか?』とまで・・・!

本当にK先生、ありがとうございます。
先生にお会いできて、こんなに心が穏やかになれました。

出会う先生で、
癌患者は救われたり、逆に辛かったりすると思う。

K先生に導いてくれた友人たちに
心から感謝したいです。
ありがとう。