ねぇ隼人、


あなたを何度傷つけただろう。

高校の夏、

甲子園でした約束、覚えてる?

私は、今でもはっきりと覚えているよ。



「ごめんな」


・・・違うよ、隼人

私が隼人の夢を奪ったの、

私のせいで隼人は。


ねぇ、隼人。

あなたは今、幸せですか?




第1章  涙

        


<受信;嶺我

今日、菜々華のこと好きな人2人発覚した。

知りたかったら返事ください。>


はぁー。

ため息をつきながら携帯を伏せているのが

私、坂下菜々華。

藍名中に通う、自称普通の女の子。


嶺我とは、同中に通う1年以上も私に付きまとってくる

最低最悪のナルシスト男。

背が低く、くりっとした大きな目が特徴の彼は

一見愛らしく見えるが、それもつかの間。

この性格を知ってしまった以上、

同じ空間にいると考えるだけで吐き気に襲われる。


<受信:嶺我

菜々華はモテモテだな。

知りたかったらメール返して。>


<受信:嶺我

返事待ってるから。>



「はぁー、しつこい。」

いつもこの調子。

「菜々華ー、また彼氏からメール?」

そう茶化してくるのは、河葉綾音。

嶺我を誤解させた張本人。

「だからぁ。彼氏じゃないっつーの。

こうなったのは全部、綾のせいなんだからね?」

半ギレの私をよそに、

「また、それ言うの?ごめんてばぁー。」

まったく反省の色を見せない綾音。


そもそも、私がこんな状況に陥ったのは。

1年前。______________________