星を見るにはいい夜だった。涼しさと寒さの間のような気温。風は吹いておらず、厚手のニットカーディガンを羽織れば長時間外にいても大丈夫そうだ。オリオン座流星群が見られるという今夜、久しぶりに星のインターバル撮影をしてみる事にした。

 正直、流星群にはあまり期待していないが、心配していた雲もなく、星の動きはきちんと撮れそうだ。ベランダに三脚を立ててカメラを設定する。フォーカスは∞、ISO400、F1.9。インターバル合成時間は14秒で約一時間の撮影だ。

 街中での撮影なので色々な制約があり、肉眼で星がはっきりと見えるわけではない。ベランダの柵が邪魔だが、何とかオリオン座が入るようなアングルを探して三脚をセットする。シャッターを押せば撮影終了の時間までやる事はない。


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インターバル撮影開始直後の写真。

小さな光の点が数個見えるだけの空。


 本来は撮影が終わるまで部屋の中で待っていればいいのだが、三脚をセットした場所がいささか危なっかしいので外に出たままカメラに付き合う事にした。そして、その間にスマホでこの文章を書いている。ここからは思いついた事をそのまま書く。

 深夜になり、民家の明かりはほとんど消えている。街の明かりはまだ明るいままで、遠くでパトカーのサイレンが聞こえる。近くでは虫の声がする。鈴虫、コオロギだろうか。後は14秒毎に切られるシャッターの音。規則正しく星の軌跡を捉えてくれている。


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インターバル撮影開始から約20分経過。

思ったよりたくさんの光が夜空に伸びている。


 ただ待つだけの時間が苦痛でないというのは何だか不思議な気分だ。夜空に目を凝らしても流星を見つけられない。弱々しく光る星が数個輝いているだけだ。微かに星が流れたような気がしても、それが現実なのかはっきりと判断する事ができない。

 それでも「オリオン座流星群が見られる夜」というきっかけがなければ、こんなふうに夜空を眺める事もなかったし、インターバル撮影をしてみようとも思わなかった。現時点で、流星群が見られなくても「まぁ、いいか」という気分になっている。


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さらに20分経過。開始から40分後の空。

段々それらしい写真になってきた。


 予定時間の2/3が過ぎ、もう流星群の事はどうでもよくなっていた。夕方のニュースでどの方角の空でも観測する事が出来ると言っていたが、そう上手くもいかないらしい。特別な自然現象はやはり、ある程度の条件が必要みたいだ。

 最後はインターバル撮影開始から約一時間後の写真を載せて終わりにする。流星群はよくわからなかったが、家のベランダからでもオリオン座の軌跡を追う事は出来た。久しぶりにどこかへ出かけて写真を撮りたくなった。夜空を見上げてそんな気分になれただけでも良かったと思う。完全に寝不足だけれど。


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