必見!雨樋修理に必要な知識
はじめに 雨樋が劣化していることに気づいた方の多くは修理を検討しているのではないでしょうか。雨樋は劣化の程度によって修理方法も大きく変わってきます。業者に依頼する程なのか、自身で修理できる程度なのか。また、自身で修理をする場合どのようにすればいいのか。この記事では雨樋の修理を検討されている方だけではなく、これから雨樋の修理をする可能性のあるすべての方に必要な知識をご紹介したいと思います。目次 1.部分補修or部分交換or全交換 1-1.部分補修が必要な症状 1-2.部分交換が必要な症状 1-3.全交換が必要な症状 2.業者へ依頼するのがベスト 2-1.危険な作業が多い樋の修理 2-2.雨樋の修理の依頼先は「瓦屋」or「板金屋」 2-3.業者選びに必要な3つのポイント 2-4.修理費用の平均相場 2-5.雨樋の修理が実質0円でできることも 3.自身での修理方法 3-1.自身での修理が可能かどうか 3-2.必要な修理道具 3-3.自身での雨樋修理の流れ 4.知っておくべき基本情報 4-1.住宅を守るための雨樋 4-2.雨樋の平均的な価格帯 4-3.雨樋の形状の種類 5.まとめ 1.部分補修or部分交換or全交換 雨樋の修理方法としては「部分補修」「部分交換」「全交換」の3パターンにわかれています。小さな割れや少し部品が外れているといった場合は部分補修もしくは部分交換。全体的に破損部分していたり劣化の程度が激しい場合はすべて交換する必要があります。では劣化の程度ごとに修理方法の説明をしていきます。1-1.部分補修が必要な症状 ☑ 樋の接続部分が緩んでいたり外れている場合樋の接続部分が緩んだり外れたりしてしまっている場合にはそこから水漏れが発生することがあります。そんな時は一度外し接続部分に接着剤を塗ってから再度はめ直すことで補修ができます。補修の際に使用する接着剤はホームセンターなどで購入することができる雨樋用のものを活用することでさらに効果的に補修ができます。☑ 樋に小さなひび割れや穴がある場合小さなひび割れがあったり穴があいているような場合には周囲の汚れを落とし、該当部分を覆うようにアルミ製の雨樋補修用テープを撒くことで補修ができます。1-2.部分交換が必要な症状 ☑ 一部分が破損or欠落している場合雨樋の一部分が割れてしまっているなど破損していたり欠落している場合には該当部分を交換する必要があります。補修に必要な材料は大きなホームセンターなどへ行くと一式揃えることはできますが欲しいものと同じサイズや色がない場合もあるので、希望通りに補修を行いたい場合には業者へ相談することがおすすめです。☑ 一部、雨樋が傾いている場合雪が降るような地域では雨樋が傾いてしまう場合があります。外側に一度でも傾いてしまうと戻してもちょっとの風や雪によってすぐにまた傾いてしまうため、傾いてしまった部分が一箇所ほどであれば交換をすることで補修が可能です。☑ 雨樋を支える金具が曲がったり破損している場合大雨や雪の影響で樋を支える金具が曲がってしまったり錆びることで破損する場合もあります。その場合、壊れてしまった金具を取り外して新たな金具を取り付けることがおすすめです。1-3.全交換が必要な症状 ☑ 破損や劣化箇所がいくつもある場合部分補修や部分交換で補修が可能な劣化症状がいくつもある場合には全部交換してしまうのがおすすめです。部分交換の場合は該当部分が新品のものになるのでまだ良いのですが、部分補修の場合はあくまでも一時的に補修したというものです。劣化箇所の完治ではないので補修したからまた何年も持つということではありません。補修をした家に今後5年も住む予定はないという場合は部分補修のみでも問題はないのですが、これからまだ10年20年と住んでいくというのであれば、早いうちに業者へ相談・全交換の検討をおすすめします。☑20年以上経過かつ劣化がある場合家の外面にある雨樋は雨・風・紫外線・雪などの影響を直接受けてしまいます。素材によって多少の違いはありますが、雨樋の耐久年数は15年~20年とされています。雨樋の経年劣化が進んでいると、部分補修や部分交換での補修の最中に最悪の場合さらに割れてしまったり破損するなどの恐れもでてきます。そうなってしまわないために20年以上経っている部分に関しては全部交換してしまうことをおすすめします。 2.業者へ依頼するのがベスト 2-1.危険な作業が多い樋の修理 住宅のリフォームやDIY(Do It Yourself)が流行っている近年ではありますが、樋の修理をご自身でされることはおすすめできません。絶対にできないということではありませんが、高所での作業になるため基本的に足場が必要になってきます。一番重要なのは「安全に」修理や交換ができるかといことです。また樋の傾斜部分のつけ方や外れた部分の設置など繊細な作業になってくるため、危険な作業の割にはご自身で修理してもなかなかうまくいかなかったりと、すぐに破損してしまう可能性が極めて高くなります。ご自身で補修して結局無駄になってしまうよりも業者へ依頼して、確実に修理・交換をしてもらうことが安心で安全な方法です。2-2.雨樋の修理の依頼先は「瓦屋」or「板金屋」 雨樋の修理や交換の依頼は「瓦屋」か「板金屋」へするのが一番です。「工務店」「リフォーム店」「塗装屋」「防水業者」でも雨樋修理の依頼はできますが、これらの業者と違って屋根関係の工事を専門に行っている「瓦屋」「板金屋」のほうが専門性が高く失敗も少ないという安心感があります。2-3.業者選びに必要な3つのポイント ☑ 診断をしてから見積もりを出してもらえる劣化状況の確認無く見積もりを出す業者には注意が必要です。状況によって大きく修理内容や金額が変わってくるため、それらを確認することなく詳細な工事内容や金額を出すことは不可能です。お住いの地域によっては「雨樋専門業者」などもあるのでインターネットで調べたり、いくつかの業者に見積もりを出しに来てもらってから決めることをおすすめします。☑ 「足場不要」という業者には要注意どんな住宅でも雨樋の修理をする場合には雨樋を支えている金属の取り付けが屋根の上からだと難しいため、足場が必要不可欠です。中には椅子などを使って作業をするような業者もあるようですが、安全面を考慮するとやはりきちんと足場を設置して作業をしてくれるような業者を選ぶべきです。☑ 詳細な見積もりを出してくれる業者見積書が提出されたらまず最初に詳細な項目や費用が記載されているかどうかを必ず確認しましょう。何にいくらかかるのかがわからない「工事一式」といった記載の場合は必ず業者へ詳細な見積もりを出すよう伝えましょう。2-4.修理費用の平均相場 業者へ修理・交換を依頼した場合の相場一覧です。あくまでも相場なので詳しく知りたい場合は専門の業者へ見積もりを依頼しましょう。 費用 綱手が外れている場合 5,000~20,000円/箇所 部分破損、部分補修の場合 10,000~30,000円/箇所 傾斜不良、金具が曲がっている場合 10,000~30,000円/箇所 ゴミ詰まりの除去の場合 5,000~20,000円/箇所 全交換の場合 150,000~500,000円/箇所 ※あくまでも相場ですので状態によって変動します。2-5.雨樋の修理が実質0円でできることも なぜ雨樋の修理をする必要があるのか、理由によっては実質0円で修理をすることができます。「火災保険」の風災・雪災・雹災が適用されればご自身の負担額が0円で済む可能性があります。☑ 修理の際は一度業者へ相談を「天災」が原因で修理が必要になったと判断されなければ火災保険の適用ができません。つまり「経年劣化」では保険を使って修理をすることができないのです。たとえば、台風・落雷・大雨・突風などが原因で雨樋が破損したり金具が取れてしまった場合には保険が適用されることが多いのですが、その確認や判断をするのは保険会社です。ご自身で保険会社に問い合わせをしてしまうとそのつもりがなくても「保険申請をした」とみなされてしまい、その際に否決されてしまうと再度申請を受け付けてもらえなくなります。雨樋の修理を行う際に確実に火災保険を適用したいのであれば、雨樋もしくは屋根の修理専門店に相談しましょう。 3.自身での修理方法 3-1.自身での修理が可能かどうか 基本的に高所での作業になる雨樋の修理は、安全を十分に確保しなければなりません。小さな割れや一部金具のゆるみなどの軽い症状であれば自身での修理が可能ですが、複数個所あったり交換が必要な場合には安全の確保が難しいため業者へ依頼するようにしましょう。修理箇所の高さにもよりますが足場が必要な工事が基本的なものになります。足場を組むにあたって「足場の組立て等作業主任者」という資格が必要になるので結局のところ業者へ依頼するしかありません。複数個所の修理や樋の交換の場合ははしごで作業することはとても危険かつ困難になるので業者へ依頼することがおすすめです。3-2.必要な修理道具 自身で修理可能な場合に必要な道具をご紹介いたします。☑ 電動ドライバー ☑ パイプカット用ノコギリ ☑ 雨樋用接着剤☑ 雨樋用補修テープ ☑ その他コーキング・脚立・梯子・雨樋・金具・軒継ぎ手・ビス・バール(釘抜き)上記の工具や部材はホームセンターやネット通販で購入することができます。これらを準備することができればある程度の修理をすることは可能です。3-3.自身での雨樋修理の流れ ☑ はしごを設置するはしごを修理したい場所にかけます。雨樋の修理は両手を使わないとできない作業ということと安全面を考えると両手が使える状況での作業が必須です。はしごを雨樋に直にかけると雨樋の劣化の程度によっては割れてしまう場合もあります。そんな場合は、はしごの先端に付けるアタッチメントもあるのでそれをつけると雨樋に直接あたらないので樋を割ってしまう心配がなくなります。☑ 該当箇所の雨樋と金具を外す修理したいところの両サイドの金具の留め具を外側へ向け、該当箇所から5~10cmをノコギリで切り離します。金具まで劣化して交換の必要がある場合にはパールを使って既存の金具を引き抜き、空いた穴にコーキングを使って塞ぎ、穴からどちらか左右に2~3cmずらしたところに高さを変えずに新たな金具を取り付けます。☑ 新しい雨樋の長さを調整該当箇所の雨樋を取り外せたら新しくつける雨樋の長さ調節をします。その際、取り付ける場所に実際にあててみて長さを図るようにしましょう。☑ 新しい雨樋を設置雨樋を設置するときは軒継ぎ手に雨樋用の接着剤をあまりはみださないように適量を塗り、樋同士の継ぎ目部分に設置します。雨水を流すための「傾斜」が雨樋にはありますが、この傾斜を間違えてしまうと修理しても雨水をうまく流せなかったり雨樋がさらに破損してしまう原因となる場合があるため、傾斜はきちんとあわせなければいけません。この作業が素人には難しいため、自身で修理してもうまくいかないということが多く起こってしまいます。 4.知っておくべき基本情報 4-1.住宅を守るための雨樋 皆さんは何のために雨樋が設置されているかご存知でしょうか?雨樋には「住宅の耐久性を高める」といった役割があります。雨水が屋根から地面に落ちて溝や水たまりを作ることで建物の基礎や縁の下が濡れ、劣化につながります。最近では軒の出っ張りが少ない住宅が多く、そのような住宅の場合水が跳ね返って外壁を濡らし、結果建材が腐る原因になってしまいます。「水の侵入」が住宅劣化の最大の原因となっています。それを雨樋を設置することで降ってきた雨水を隅に集め、排水口へ排水することで住宅を守ってくれています。4-2.雨樋の平均的な価格帯 雨樋の価格帯を種類ごとにご紹介いたします。こちらの価格表は新品の金額ですので、雨樋交換の際に新品の雨樋を準備する場合の参考にしていただければと思います。 半円型 角型 塩化ビニール製 1,000~1,800円/本 2,000~2,800円/本 合成樹脂製 1,800~2,500円/本 2,800~3,500円/本 ガルバリウム製 4,500~6,000円/本 5,500~7,000円/本 銅製 9,000~11,000円/本 11,000~13,000円/本 ※1本=3.64m 雨樋にも様々な種類があり、種類によって費用は変わってきます。 基本的に価格の違いは耐久性の違うのものがほとんどです。4-3.雨樋の形状の種類 雨樋には様々な形状のものがあります。どの形状の雨樋がどんな地域の住宅に適しているのかをご紹介いたします。修理や交換をする際にはご自宅の雨樋がどの形状に当てはまるのかをしっかり確認してから部材の準備をしましょう。☑ 半円型(形状)半円形の雨樋は一番一般的な形状で、築20年以上の住宅ではほとんどがこのタイプです。単純な形状のため比較的に低価格なものが多いです。☑ 角型(形状)半円型に比べて断面積が大きい角形は流水量が多く確保できます。最近の住宅にはこのタイプが多く使われており、特に降水量が多い地域の住宅にはおすすめです。角形の中にもゲリラ豪雨等に備えて、片方がせり上がったタイプもあります。☑ 特殊型(形状)特殊型は雪が多い東北や北海道に多く見られるタイプです。積雪によるダメージをちょっとでも軽減するような形や、雪掻きの際に雨樋を傷めないような形にしたものがあります。費用はやはり特殊な形なので半円型や角形に比べて高くなりますが、豪雪被害が多い地域だと雪のたびに壊れてしまっては修理費用が嵩むだけになってしまうので検討してみてはいかがでしょうか。 5.まとめ 住宅を長持ちさせるために雨樋は重要な役割を果たしているので修理は必須です。劣化しているなとおもうところがあればまず複数の業者にみてもらって、修理の際は交換してしまうことがおすすめです。火災保険を活用したり、屋根・外壁塗装などとあわせて行うことで費用を抑えることも可能なので少しでも気になるところがあればぜひ検討してみてください。