ニューヨーク・フィルハーモニックの咆哮が迫る!
作品に横溢する熱いドラマをそのまま音と化してゆくバーンスタインのドラマティックな解釈を、ニューヨーク・フィルが豪壮華麗に再現する。
1970年2月17日に「ローマの松」、1968年3月19日に「ローマの祭り」が、ニューヨーク・フィルハーモニックホール(現エイヴェリー・フィッシャー・ホール)で録音された。これもバーンスタイン唯一のレスピーギの交響詩。一聴してそれまでの場所を借りての録音よりオーケストラに艶がない。「ローマの松」と「ローマの祭り」だけで、「ローマの噴水」を彼は録音しなかった。同じ頃に、カラヤンが録音した「ローマの噴水」にはどんな録音もかなわない。こちらもできたばかりのカラヤンのサーカス小屋でのセッションだった。カラヤン程圧倒的ではなく、豪華絢爛ではないが、ニューヨーク・フィルは素直な演奏を聞かせる。現代の録音と比べて、鮮やかさはないが、弦とティンパニのアンサンブル、その背景のパイプオルガンもよく分かる。