２０２３年１２月３日、午後９時からNHKEテレで、２０２３年１０月１４日奈良東大寺前庭で開催された反田恭平（そりた　きょうへい）指揮・ピアノ、管弦楽JNO（Japan National Orchestra）演奏会の録画が放送されました。東大寺開山良弁（ろうべん）僧正1250年御遠忌慶讃奉納演奏会でした。

【曲目】

１．アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ／ショパン　

２．交響曲第１番ハ短調作品６８／ブラームス　

ピアノ・指揮＝反田恭平　

管弦楽＝ジャパン・ナショナル・オーケストラ

（日本の）クラシックオーケストラが神社仏閣で奉納演奏会をした例はあまりありません。とても珍しいことです。調べたら、井﨑正浩／セントラル愛知交響楽団が京都白峯神宮で楽劇「白峯」を、深見東州／東京国際フィルハーモニック・オーケストラが箱根神社神楽殿で交響曲「箱根神社」を奉納したくらいです。

演奏会当日は土砂降りの雨でした。劣悪な環境です。反田とオケはビニールテントの中での演奏、聴衆は主催者から配布されたポンチョを着込んでいました。雨なので、楽員の楽器も普段愛用しているものではなく、代替の楽器でした。NHKといえども悪天候には抗しがたく、録音状態が悪かったです。ピアニストとオケの熱気あふれる演奏に良弁（ろうべん）僧正や大仏様はお喜びのことだったと思います。が、私は不満でした。反田のピアノにもオケの演奏にも。ピアノには繊細で抒情的なものが欠けているようで、いつもの反田ではなかったようです。その技術と音楽性には並々ならぬものがあると言われる楽員も気負いばかりが先走っているようで、丁寧で深みのある音型づくりがいま一歩というところで、私が求めるブラームスの交響曲第１番ではありませんでした。土砂降りの雨ですから、演奏会は中止すべきでした。音響の特段に良いホールで反田とJNOの演奏を聴いてみたいです。指揮者反田はまだ経験が浅く、これからどのようにして頭角を現すか、期待するところです。ピアノ協奏曲の弾き振りではなく、本格的指揮者を目指しているようです。

１枚目の写真はコンサートマスター岡本誠司のfacebookから借用しました。

２枚目の写真は雨中での演奏の様子。

３枚目の写真はブラームスの交響曲第１番を振る反田恭平。lalaclub.comから借用しました。

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反田恭平＆ジャパン・ナショナル・オーケストラ in東大寺