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平田の心には響いてないのか?

皆さんは、中日新聞スポーツ面の毎週火曜掲載、落合博満「読む野球」をご存知でしょうか?

チームづくり
・力のある選手 応変に

 チームづくりは、臨機応変に考えなくてはいけない。おれが監督に就任した2004年と2010年ではチーム状況が違う。もし、今、投手層が薄ければ、昨年のドラフト上位の高校生左投手2人は、とりにいけなかった。投手は世代交代が進んでいる。
 19歳の伊藤準規が、プロ初勝利を挙げた。なぜ1勝を手にできたかというと、競争に勝ち残ったからだ。若いとか、プロ2年目とか、20年目のベテランとか、そんなこと関係ない。あくまでも自分で勝ち得たんだ。
 1軍の投手枠は13人分ある。先発の中田賢、朝倉、川井がけが。ほかに誰がいるのか。2軍にいる高島、山内、岩田、赤坂。彼らと比べて、どちらがキャンプ、オープン戦で結果を残してきたのか。中継ぎで1軍にいる浅尾、清水昭、平井、小林正、高橋、鈴木。彼らもみんな勝ち残った選手たちなんだ。
 だから1軍の公式戦でチャンスが訪れる。結果がよければ、そのまま投げ続けられるだろうし、結果が残せなくなったり、けがをすれば1軍のマウンドで投げられなくなる。チャンスがもらえるかもらえないかは自分次第。こっちに使ってみようと思わせるには自分で道を切り開くしかない。
 育成ドラフトで入団した新人矢地を支配化選手登録した。これも同じ。長いこと育成でやってる選手がいるから、そろそろ支配下にしようか、なんて気はまったくない。力があるからなんだ。投手はこれだけいるのにと考える人もいるだろうが、シーズンを戦い抜くには絶対数が足りない。その準備をした。
 投手に比べ、野手は若い選手が出てこないと言われる。おれが監督になってからのドラフト1位の即戦力野手は野本1人。堂上の弟は地元の選手で、将来性を買った。井端、荒木、森野はみんな六つ七つ年をとったが、働き盛り。若手を目をつぶって使い続けて、チームに迷惑をかけるなんて考えは、おれにはない。
 投手13人の枠と違い、野手は一つのポジションしかない。そこに強烈なレギュラーがいたら、入り込めない。投手と野手は違うんだ。前回コラムで、新人中田亮にプロの体力づくりをさせていると書いたが、次は平田に手をつけなきゃいけないと考えている。入団してからこれまで数年間見てきて、短期間の集中力あるけれど、それが持続しない。1カ月間の体力づくりから始める。
 今をどう戦うか、とチームの中長期的な展望を見ながら、チームはつくっていく。ずっと優勝争いしなきゃいけないチームにすることがおれの責任。選手を酷使せず、つぶさず、どうすればその選手が太く、長くこの世界でいきていけるのかを考えている。


――中日新聞・2010/4/13より引用――
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