余談#13
5月26日(木)
ミステイクを失敗と呼ぶかどうかって。
最近つまらないミスを繰り返して暮らしています。手始めにまずピンクのロンTと白のワイシャツコラボで一層式洗濯ロンダリングして全部うっすら季節外れに桜色に染めましたし、またある時には、サバを大好きなフライパンで煮付けて、大好きなフライパンが大好きなサバの匂いがするフライパンに姿を変えたりとケアレッサー連発のこの頃で悲しかったんです。最たるもんが、大好きなソウルメイトなけいちゃんにデートの約束取り付けて5/24のアポイントって返信もらっているのをはしゃぎ過ぎた結果、5/16に『明日何時に待ち合わせしよっか？』とウキウキの絵文字付きで返信したソイラテ。です。
んで、慌てた僕は一種錯乱状態に陥って、あろう事か高校生のさっちゃんに『ピエロで返信か、夏木豊で返信か、まじめで返信か、ダメージが少ないのは、、、さぁどれ！？』と助言を求める始末、情けなかったです。(結果、彼女のアドバイスは正しくまるっと丸く納まって、それはそれで情けなくて。)
で、昨日。
いつもと同じけいちゃんの仕事終わり待って、待ち合わせ。その日、晩ご飯＋飲みからのブラックスワンをもくろんでましたから、何度かの紆余曲折へてからにイタリアンをモグるつもり満々でした。でもね正直、ところ僕のモグるカードの中でイタリアンは一番少ないカードでしたから(東京で2店舗くらいしかないす。)、後新宿ピカデリーでブラックスワンでも待ち合わせは表参道のリスク。そもそもこれがミスちゃミス。一見でステキなお店を察知して、スマートに入店して、余裕一杯のドリンクオーダ出来る程僕は起用ではないので、基本1度足を運んだ予備知識満載のお店にしか行きません。行けないって行った方が正解かもしれません。みんな勘違いしてるかもしれなけど、いつもの僕のステキなお店でのステキな立ち振る舞いは、僕がこのお店しか知らないから、なのさ。ﾌﾟﾌﾟ。
意気揚々と常連の背中でアーケードくぐって、ピクルスがおいしいだの、フルーツトマトが好みだのと、知ったていでお店の入り口、で驚愕。
唯一の表参道イタリアンカード、火事で焼けてた。しかも半年前に。
終了ー。 涙
その時の僕の狼狽具合は、やっちゃった感じで承証人喚問される政治家と大差なかったです。でもね、不思議とけいちゃんにはその狼狽、好意的に受け取られてて、『私の為にお店きちんと用意してくれてたんだ』といたく感激してました。いやいや、と大げさなリアクションでそもそもここしか知らないって種明かしも、テンション上がった彼女には関係なかったらしく、ありがと、ありがと、って不思議に感謝ばかりされる始末に狼狽、ていたらく。
相変わらず、僕は不器用なまま。スマートなデキ男には程遠い、むしろ到達は無理なんじゃないかと思い知らされました。それはそれで悲しいよ。でもせめての功名は、ミステイクを失敗と呼ぶ事だけはやめてみようと思えた夜だった事。
だって、その夜僕が手に入れたかったカードは、デキ男の称号カードじゃなく、彼女の笑顔ってカードでしたから。
ソイラテ。
ハルさん。#011
5月11日(水)
あと2ミリ、あと2ミリメートルなのに、との彼女の希望は横暴って名の飼い主って名の僕にあっけなくチェアの下まで運搬されてのお冠。好物なはずのタマゴボーロにも目もくれず、しばらく嫉妬に駆られた後妻のように無視を決め込む彼女。
衆知の件ですけど、彼女にとっては人間の食べ物なんか、僕ら世代にささやかれる中性脂肪問題よりももっとシビアに膝痛めるだろうし、悲しいけどなかなかその希望をかなえてあげられずにもどかしいのも確か、少しだけ人と犬に別れて生まれた自分を遠いと責める。
そんな時はいつもよりも5粒だけタマゴボーロ多く盛ってみて、ね許してって僕にもしばらく無視決め込まれ。しびれ切らしかけ別の和解案、提案しかけた時にこっそり減っているタマゴボーロに気がついて。
ごめんね、と一言小声で。
遠くも近い彼女の心にありがと、と、照れ臭いので声を出さずに呟くのでした。
ソイラテ。