T・コリン・キャンベル(T. Colin Campbell)は、アメリカの栄養学者であり、特に食事と健康との関連に関する研究で知られています。彼の最も有名な業績は、中国で行われた大規模な疫学研究を基にした『チャイナスタディ』です。この研究は、動物性食品と植物性食品の摂取が健康に与える影響を検証し、植物ベースの食事が多くの慢性疾患のリスクを減らす可能性を示唆しています。
経歴
コリン・キャンベルは、1940年代にペンシルベニア州の農家で育ち、若い頃は動物性タンパク質が健康に良いと信じていました。彼は大学で栄養学を学び、コーネル大学で博士号を取得。初期の研究では、動物性タンパク質が栄養価の高いものであると考えていましたが、後に行った研究でその考えが変わります。
1970年代から1980年代にかけて、中国の田舎で行われた「中国栄養・健康調査」では、食事とがん、心臓病、糖尿病との関連性を調査しました。この調査を通じて、植物性食品が健康に与える積極的な影響と、動物性食品が慢性病の発生リスクを増加させる可能性があることを発見しました。
主な主張と影響
キャンベルは、「ホールフード・プラントベース」(WFPB)食、つまり精製されていない植物ベースの食品を中心とした食事が、健康を改善し、慢性疾患を予防できると提唱しています。彼は、動物性食品や加工食品を避けるべきだと主張し、特に乳製品や肉類の摂取が健康に有害であると強調しています。
彼の研究と著書『チャイナスタディ』は、多くの栄養学者や医師に影響を与え、ベジタリアンやヴィーガン食の普及に貢献しました。彼はまた、健康と食事の関係に関する多くの講演やドキュメンタリーに出演し、食生活の改善を訴えています。
批判と議論
キャンベルの理論や研究には支持者も多いですが、一方で批判もあります。特に、彼が提唱する食事法が極端であるとする意見や、動物性食品を完全に排除することの健康リスクについての懸念も存在します。また、彼の研究手法やデータの解釈についても一部の専門家から異論が出されています。
それでも彼の研究は、現代の栄養学に大きな影響を与え続けています。