健常者と聴覚障害者とのコミュニケーションの取り方 | 【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

鹿児島で動物病院を経営しつつ、飼い主さんがペットに1つでも多くできることを提案できる場として、ペット関連のイベントや講演をしています。
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先日テレビのチャンネルをあれこれ変えてみてたら、

たまたま手話番組をしていて見入っていました

アラフォー獣医師 浜崎菜央です。

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(これは美紀さんとレオンとテレビ出演したときのもの懐かしいお気に入り写真の一枚です)



うちの父と母は仕事の関係で、手話で会話ができます。

遠くにいて声が届かないところだったり、

人混みで声が聞こえないときだったり、

2人は手話でやりとりすることがあります。



仕事で使っているときや、

プライベートで使っているのを

小さい頃から見てた私は、

ほんの少し理解することができます。



でも、実際に手話で話すことができません。



うちの父から学んだ方々は、

唇の動きで言葉を読み取ることができる読唇術を学んでいること

耳が聞こえないけれど音を出す訓練を受けているため、健常者と同じように音を出すことができる


ので、



手話ができない私でも、

父の教え子さんたちと会話をすることができます。


どうしても伝わりにくいときは、

筆談を使うこともあります。



そんな中でも、

勘違いやすれ違いが起きることがあります。



健常者同士でも、

コミュニケーションのズレからすれ違いが起きることってたくさんありますよね。


ただ…

聴覚障害者と健常者となれば、

それ以上にすれ違いが多く発生するんです。



私もこのことについて気をつけたいと思うところでもあり、

何度か美紀さんともこの話をしたこともありました。



こないだたまたま目にした手話番組でも、

このコミュニケーションのズレからのすれ違いのことを話していました。

 


例えば…


『すみません』という単語1つにしても、

聴覚障害者の人が手話で伝える『すみません』は、

謝罪の意味の『すみません』しかないんです。



でも、健常者は、いろんなケースで『すみません』を使いますよね。

もちろん、謝罪の意味でも使います。

でも、それ以外に、

誰かに声をかけるとき、『すみませーん』と言ったり、

感謝の意味で、『すみません』と言うこともありますよね。



手話では表せない使い方があることで、

聴覚障害者からしたら、

なんで今すみませんって言った?

ということが発生するんです。


それから、『すみません』という単語1つでも、

声のトーンやリズムなどでも、受け取り方が変わりますよね。


でも、手話や文字ではそこがうまく伝わりません。




聴覚障害者でも、

うちの父から学んだ方々のように、

聾学校ではなく、一般の学校に通っていた場合、

小さい頃から健常者の言動に触れながら成長していくので、

おおよそ把握できるのですが、


聾学校だけを卒業している方々で、

健常者の言動を目にする機会がなかった場合、

健常者のこういった特殊な使い方を理解できないこともあるのです。




聴覚障害者も健常者もどちらも使い方は正解なのですが、

お互いがどのように受け取るか分からずに会話していると、

全然違う受け取り方をしてしまい、

お互い気分を害してしまうこともあるのです。



これは、どちらもお互いのことを気にかけながら、会話する必要があると思います。



そのことを番組内でも、とても大事なこととして、話していました。




言葉のことだけでなく、

私たちが耳にして当たり前だと思っていることも、

聴覚障害者の方々は分からないこともあります。



前に、美紀さんが、

レオンのおかげで、秋の音を知ることができた

と言っていたのですが、

これもそうですよね。



健常者にとって、虫の声が聞こえる夜は、秋の音と認識していて、


秋の音=虫の声

で伝わることも

ちゃーんと伝えてあげなければ分からないこともあるんです。



でも、これを伝えることで、

わ!すごい!

秋は虫がたくさんなくんだねー

と新しい話題となり、

新しい認識が生まれ、

今までよりもコミュニケーションがうまくいくようになるんです。


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(何だか写真を見返してたら、美紀さんに会いたくなっちゃったワタシ…)



美紀さんがレオンを受け入れて知ることになった音は、

これ以外にも

トイレの入り口のアナウンス

エスカレーターの乗り降りのところのアナウンス

トイレの流れる水のアナウンス

カーナビ

などなど、たくさん。


私たちはそのときそのとき音を聞いて、新しい文化を取り込んでいるけれど、

それは誰もが上書きされることではないのですよね。


番組内では、

健常者と聴覚障害者のそれぞれの文化を理解する必要がある

と伝えていたのですが、



お互いが知らないことを

お互いに伝えることで、

お互いの発見に繋がる。


と私も思っています。



うまくかみ合わなくてすれ違いがおきて歯がゆくなることや

もしかしたら嫌われてるのかも…と不安に思うこともあります。
 


時間がかかったとしても、

それを1つ1つひもといて、

お互いを今まで以上に理解していけたらいいな

と思っています。



そして、私だけでなく、私に関わっている人たちも、

こういうことがある

ということを理解していただき、

もしコミュニケーションをとる機会があったときは、

健常者同士の感覚ではなく、

きちんと伝わったかな?

何か不安にさせてないかな?

と少しだけでも思っていただけると嬉しいです。



私は、シニア犬セミナーでもお話するのですが、


シニアになって耳が聞こえなくなった子たちが

どれほど不安に思っているか

どれほど自分に自信がなくなっているか

そして、どれほど飼い主さんとのコミュニケーションでズレがおきているか

理解して接してほしい

とお伝えします。


不安に思うことが増えるから、問題行動が増える。

不安に思ったり、自信がなくなるから、愛情を何度も試したくなる。

自信がないから、頼りたくなって、分離不安になる。

不安を取り除き、自信が出てくれば、

また昔みたいにハキがでてくる

だから、今までと同じ扱いをするのではなく、

シニアならではのコミュニケーションの取り方に変えてあげてほしい

とお伝えします。



それは、この話と繋がるところでもあります。



できて当たり前ととるのではなく、

相手を思いやること

相手を理解しようとすること

それが大切だ

と思うんです。


そして、

お互いに好きだという気持ちがあれば、

そうすることは苦ではないとも思っています。




何でもそうだけど、

当たり前だと思って、馴れ合いでいると

すれ違いがおきやすくなります。


私も何事も自分のことだけでなく、

お互いちゃんと不安を取り除けれるように、

普段からも接したいなも思います。