何でも引き受けることが愛情ではない。許容量を超えたときに、猫屋敷犬屋敷になる。 | 【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

鹿児島で動物病院を経営しつつ、飼い主さんがペットに1つでも多くできることを提案できる場として、ペット関連のイベントや講演をしています。
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こんにちは

連日、殺処分ゼロって一体?譲渡率に執着する理由は?から広がることを書いてきました。

そのおかげか、保護団体の方からフォローされることが増えました。

同じ志の人とつながる嬉しさもありますが、そうでないこともあり

日々葛藤しているアラフォー獣医師 浜崎菜央です。


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(髪が傷んでしまって、10センチくらい切ってしまったわたくし)



今はないのですが、

中には保護活動メインで動いている人だと思う方もいらっしゃって・・・

「◯◯で、今週末殺処分になる予定の子がいるんです。助けてください。」

と連絡をもらうこともあります。



私もできることなら、全部の子たちを助けたい

でも、ごめんなさい。

私にもできることに限界があるんです・・・




この言葉に対して、

「私だって限界はとうに来ている。

 でも、救わないといけない命があるから、身を削って頑張っている。

 冷たい。」

と言われる。




そうですよね。その気持ちもわかります。




でも、

私にも、私にしか救えない命があります


そして、

自分の許容量を知っておくこと、

許容量を超えたときの対処法を決めておかなければ、

自分が潰れてしまう

と思っています。



これは誰でも言えることで・・・



ただ動物が好きで、

ただ殺処分から救いたいというだけで、

どんどん請け負っていくと、

本当に自分を失うことになりかねないんです。




私は今までに、こういった活動中に自分を失った人を見てきました。



本当に動物が好きで、一人でも多く保護したい

と保護活動をはじめ、

殺処分から救うために、次から次へと救出したはいいけれど、

自分で飼育する許容量を超え、

ご飯をあげたり、散歩をしたり、日々のケアをしたり・・・

というお世話の時間が足りなくなり、

仕事と保護活動のバランスが保てなくなり、

保護した子たちにかかる費用もまかなえなくなり、

保護した子たちの避妊・去勢手術まで手が回らなくなって、繁殖しつづけ

どんどんうちの中で増えていき、

ついに、崩壊してしまう




最初は好きで始めたこと、救いたい気持ちで始めたことでも、

自分の許容量を把握していなかったり・・・

自分の許容量を知っていても、それを揉み消して、救うことを優先してしまったり・・・

その結果、

自分も保護した子たちを放棄しなければならなくなっている。

自分も放棄した人と同じ道を歩もうとしている。

ということが実際あるんですよね。



保護活動をしている人だけではなく、

猫ちゃんを拾った人でも当てはまること

ブリーダーさんでも当てはまること

でもあります。




猫ちゃんを2人拾って、飼い始め、とても可愛がって育てていたのだけど、

避妊去勢手術をするタイミングを逃し、

2人から子猫が産まれ、

その子猫たちが育ったら、

またその中で繁殖活動がおこり、また子猫が産まれる。

どんどん増えていってからでは、

避妊去勢手術をする費用も追いつかず・・・

手術をすることが手付かずのままになり、

気がついたら猫屋敷になっていた。


とか・・・



最初は犬が好きで、趣味程度で始めたブリーダー業。

赤ちゃんが産まれ、感動し、手塩にかけて育て、新しい飼い主さんにもらわれていく。

その一連の流れに感動を覚え、始めたものの、

高い値段で売れていくことに注目しはじめて、

どんどん無計画に繁殖させていき、

気がついたら、売れずに残ってしまった子たちや、繁殖リタイア犬でいっぱいになり、

飼育することに手が回らなくなり、廃業。



みんながみんなとは言いませんが、


好きで始めたことなのに、

気がついたら、好きなものを苦しめることをしている。



そんな矛盾が生まれていることがあるんです。



それは・・・



自分の許容量を把握しておらず、

許容量を超えてしまったから。




冷たいと言われる人もいるかもしれないけれど、

許容量を超えないように、線引きをすること

これは先々行動が矛盾しないように防御している
とも言えるんです。



保護団体として保護活動をしている人たちは、

ちゃんとそこまで考えて行動していることがほとんど。


冷たいと罵られることもあるけれど、

自分の気持ちの中で、「助けたい」という気持ちと葛藤しながら、

勇気を出して、線引きをしているんです。




私は動物病院を経営していて、

毎日来る子たちを救わないといけない任務があります。

心無い人が病院の前に、子猫を置いていくこともあり、
(本当にこういうことをする人が多すぎて、この防止のために、防犯カメラをつけてあります)

その子が巣立っていけるようにミルクで育てることだってあります。


毎回、「殺処分間際でなんとかそこで保護してほしい」

って言われても、

私にも許容量に限りがあり、全部を受け入れることは正直難しいのです。



でも・・・

私だって、責任もって、みんなを養えるのであれば、

救ってあげたいと思っています。



みんなそれぞれ背景はいろいろ。

でも、自分の許容量を考え、勇気をもって、線引きをしながら行動していると思います。



今日明日、犬猫と共生できる社会をめざす会の方が、

『しっぽのある天使達写真展』を開催しています。



これは、2016年度のチャリティーカレンダーに応募してくださった犬猫の写真を
ぜ~んぶ展示するというもの


犬猫と共生できる社会をめざす会の方々も、

少しでも多くの猫を保護したいと思い活動されていますが、

みんなボランティアでできる限り頑張っていらっしゃいます。

寄付金が多くあるわけではないので、

チャリティーカレンダーを作成し購入していただいた金額を

避妊去勢手術代にあてる形をとっているのです。



一般の方々がチャリティーカレンダーに応募し、

自分の子たちが載ったカレンダーを購入することで、

また、載っていない方もこのカレンダーを購入してくだされば、

自動的に寄付する形になっているんです



ほんのすこしの積み重ねで、

野良猫の避妊去勢手術代となり、

手術をすることで、不幸な子が新たに生まれることを予防できる
ハート



できる範囲でやれることを・・・

といつもお伝えしていますが、

このチャリティーカレンダー購入も、その一つだと思っていただき、

一人でも多くの方が購入していただけると嬉しいです


また、この写真展のお隣では、

『猫ちゃんの譲渡会』も行われています。


写真を見に来たついでに、

保護猫ちゃんのことを見ていただき、

もしも出会いがあれば、一人でも多くの子たちが新しいおうちにいけることを

夢見ています


どういうふうにご縁がつながるか分からないですもんね。


いらっしゃった方の知り合いの方が「猫がほしい」と探されていた

ってこともあるしね



さて、明日18日(日)も、写真展は開催されます


私も13時から

『メディカルアロマワークショップ』
『ペットマッサージ講習会』

を行います。



ペットともっと仲良くなるためにイベントをするのですが、


それだけでなく、


私がイベントをすることで集まった方々が

「やれる範囲でできることを自分たちもしよう」

と思っていただけると嬉しいなと思っています。



若干名空きがあるそうですアゲアゲ

もし興味がある方は、ぜひ電話をしご予約くださいませ



よぉ~っし!

明日はがんばるぞ