不妊と経済的事情により第2子をあきらめる選択をした。気持ちが固まるまで約10カ月。その間に、姑宅への引越し、夫の降格人事、交通事故2回、大金の損失、いろんな災難があった。でも、最愛の息子は元気だったことが今となってはとっても嬉しい事実。
不妊が分かった後、私は荒れた。どんな荒れ方、鬱状態になったか思い出すのが怖い。子供にはテレビをたくさん見せていたと思う。一人落ち着く時間や気持ちを整理する時間がほしくて。体が重くてベッドから出られない日は、遊びたい盛りの子供を無理やり昼寝させたりもした。本当に謝っても謝りきれない。私のイライラを受け止めてくれた、彼。3歳にもなっていなかったのに。私の心のよりどころだった。異国で唯一同じ血を分けた息子。どれだけ私を助けてくれたことだろう。
そんな日々から10カ月。姑の家での2カ月は息子にとっても地獄だったのだろうか、、、イライラの絶頂にある母親。ごめんね、こんなに怒鳴ってばかりのお母さんで。
起きている間、どのくらいの時間笑顔でいれたのかな。
気持ちを切り替えて夏からの実家暮らし。
3歳児とは思えないほど論理的な思考、正確な日本語を話す。私の自己嫌悪を見かねた母は、「お母さんがいつもたくさん本を読んでくれるから日本語が上手なんだね」といってくれる。同い年のいとこと話すのを聞いていると歳の差が3歳くらいある感じがする。
走るのも早い、サッカーも上手、水泳も大好きで潜れるようになると魚のようにもぐっている。小さい動物や虫に優しい。自然の中で遊ぶのが好き。おもちゃがぷらレールしかないこの家で、文句ひとつ聞いたことがない。あるもので遊ぶ。私はこれが好き。でも息子にはもっとおもちゃが必要なのかなと心配になる。御なべ、お玉、ボール、柚子にキンカン。御なべの中に入れて混ぜてお料理。
私の体調が悪いある日曜日。おじいちゃんとおばあちゃんと葛西臨海公園にいってきた。私にお土産を持ってきてくれた。貝殻。ありがとう。
今日も生理痛でだるかった。一人で遊んでいると思ったら、
「お母さん、プレゼントだよ」といっていらない紙に何やら彼なりの文字を書いたものをいくつも持ってきてくれた。なんて書いてあるのと聞くと、
「おかあさんに、イチゴをお土産に買って帰るよ」って書いたよ。
「お母さん、ぎゅーっとして笑って」
「お母さん、大好き。海ぐらい好き。御母さん、かわいい。御母さん、ふわふわ」
「お母さんのほう向いて寝てもいい?」 (歯並び悪化防止のため交互に寝る向きを変えているので)
「おかあさん、すき」
こんなに愛しい息子を自分のイライラで怒鳴ってしまう。ごめんね。
棒を振り回し、食卓の上の納豆に洗濯ネットを投げてしまう。どうだっていいことなのに、怒ることじゃないのにね。
もっと気楽に子育てすること。そうしないと後悔する。
サンタさんに持ってきてもらいたいものは何?ってきくと、タマゴボーロ、双眼鏡、音がするパトカーという答え。でもいつも答えるのはボー路か双眼鏡。おもちゃをリクエストしない。ほしくないのかな。田んぼで遊ぶのが一丸好きなんだって。
妹やおじいちゃんおばあちゃんのところばっかり行くのでたまにさみしくなってしまうんだ。
だけどネットをよく見ていたり本や新聞を読んでばっかりのお母さんなんていやだよね。