肩の力を抜いて歩き
青い空を眺め 木々を眺め
自分の心と語りあう
そうできるのは
あなたと一緒の時だったことに驚いた
自分が自分でいてもいい?
こんな私で大丈夫?
自分の心に問いかける
その答えが見つかったのも
あなたと一緒の時だった
泣きそうになっても
身震いするほど孤独に感じても
守れなかった大切な時間は
音もなく過ぎていく時の流れは
今はもう掴めない
肩の力を抜いて歩き
青い空を眺め 木々を眺め
自分の心と語りあう
そうできるのは
あなたと一緒の時だったことに驚いた
自分が自分でいてもいい?
こんな私で大丈夫?
自分の心に問いかける
その答えが見つかったのも
あなたと一緒の時だった
泣きそうになっても
身震いするほど孤独に感じても
守れなかった大切な時間は
音もなく過ぎていく時の流れは
今はもう掴めない
みなとの見える石畳の街を
ひとり歩く私は
たぶん道化師のようで
真面目に応えて
笑顔で話して
そしてココロで泣いている
笑顔でいるのに
目元に涙型のドロップがひとつ
伝わる人には伝わるし
伝わらない人には伝わらないし
笑っているような
泣いているような
おどけているような
困っているような
ひと目を気にせず
ひとり音楽に浸りながら
身体を揺らして夢の中へ
窓のすき間から
雨の香りを感じながら
泣きもしないし
笑いもしない
怒りもしない
となりで眠るあなたの横顔に
そんなココロ伝えてみたけれど
それもたぶん伝わってない
今はただ
真面目に応えて
笑顔で話して
そうして私は生きている
目の下に涙型のドロップつけて
見える人には見えるだろうし
見えない人には見えないだろうに
- これからどこいこっか?
- うん。まずは手、つなごっか。
こんな会話が懐かしい。
時が経てば写真のように
記憶も色あせていくと思ってた。
けれどそれは少し違っていて、
セピア色に変わった写真を手にとって
眺めるだけでその瞬間に戻れると
その老人が言った。
歳を重ねることは
朽ちていくことじゃない。
歳を重ねることは
忘れていくだけじゃない。
ただ、戻りたい瞬間が
増えるだけ。
ただ、忘れたくないことが
増えるだけ。
だからどうでもいいことを
忘れてしまいたいの。
笑顔でそう言える人に
私もなりたい。
夢の中で私が歩く道は
いつも静かで
どこへ続くかわからない道
風が薫り
眩しくて
あたたかくて
でも私が知りたいのは
空は青いかってこと
木々は緑の輝いているかってこと
そしてこの道の先に
あなたかいるかってこと
なんども迷って
立ち止まって
引き返そうとしてやめました
今はただ、
青い空を眺めながら風を感じ
太陽の暖かい日差しに感謝して
春の新緑の輝きに喜びを感じながら
夏の日差しに肌を焦がし
秋の風を身体中で受け止めて
冬には冷たい空気を懐かしがって
そしてまた春を迎えて
歩き続けて行く道が
夢ではなくて現実でいつまでも続くこと
モノクロームの夢の中から
彩豊かな現実の中へ
あなたのいないその道の先へ
「あなた、夕飯の支度ができましたよ。
ほら、新聞読みながら食べるのはよしてくださいよ。」
「ああ。」
「ねぇ、あなた。
私、明日はお友達とランチ約束をしているので、
うちのことは宜しく頼みますよ。
夕飯の時間までには戻りますけど、
あんまりダラダラと一日を過ごさないで下さいよ。」
「ああ? お前、昼飯の食いに行くのか。
わしも行こうかな。」
「二人で予約しちゃったのよ。
いやねぇ。聞いてなかったの?」
「ああ…」
「もー、あなたったら…。」
かつて、「わしも族」など呼ばれた男性たちがいた。
定年を迎えた後に、今まで家族を養ってきたという自負が
ひとり寂しく外食するなどという行動をしたがらない。
妻が出かけるたびに「どこへ」「誰と」出かけるのかと
聞くのが常であった。
当時はそんな男性たちを夫に持つ妻たちがストレスを訴え、
「主人在宅ストレス症候群」などという病名まであったほどだ。
しかし現在、その「わしも族」と呼ばれる男性たちに
注目が集まっている。
女性の平均寿命が100歳を超える現在、
言葉少なに隣で返事をしてくれた夫たちを懐かしみ、
世話をやく楽しさを思い出し、
懐かしんでいる女性が増えているのだ。
この老人ホームでも、その「わしも族」に人気が集中。
好みの「わしも族」をゲットしようと
やっきになるおばあちゃんたちが後を絶たない。
「まだ実験中とはいえ、わしも系R2000W型は大成功ですね。
あまり表情のない顔つき、言葉のバリエーションも
少なめであるにも関わらず、おばあさんたちは、
わしも系R2000W型をパートナーと考えて食事の用意にも精を出し、
家事を自分でやっているというのですから驚きます。」
「ええ、当老人ホームとしましても、
あの無表情なロボットにセキュリティー機能と、
老人の病状を監視するシステムがついている
というのですから大助かりです。
もっと需要が増えてくることは必至でしょうねぇ。 」
助け合うふたり
最近、ジュナは調子が悪いようだ。
今日も会社では課長に叱られていた。
打合せで来社していた取引先の部長を、
使いの人と勘違いしてとんでもない
態度をとってしまったのだ。
幸いにも今後の取引には
影響がなかったものの、
ジュナの能力から考えれば、
あんな失敗をするなんて考えられない。
私もあれ位の記憶力と分析能力があれば
もう少しいい仕事が貰えるのにと思っていたのに。
はいこれ、飲む?
ジュナ、最近疲れてるんじゃない?
ま、とりあえずドリンクエネルギーでも飲んで
元気だして・・・。
私が手伝えることがあったら、
いつでも言ってね。
私、ジュナの為ならどんなことでも手伝うよ。
私はいつだってジュナの味方だよ。
モモ、ありがとう。
そういってくれるのはあなただけよ。
何だか少し元気が出てきた。
これ位で落ち込んでなんかいられないよ。
私頑張るからさ・・・。
今日のジュナの様子は…
上に報告しなければ・・・。
ジュナのAIチップの一部に
不具合が生じたのかもしれない。
それでなければ、
人間の顔を記憶し間違えるなんてあり得ない・・・。
ドリンクエネルギー位で改善する問題では
ないように感じられるもの・・・。
最近、モモは随分と優しい。
私が叱られているのを見て、
すかさず飲み物を用意して持ってきてくれたし、
この間は、頑固で嫌われものの部長がヘマをして
電話口でペコペコと頭を下げていた時、
誰もが見て見ぬ振りする様子だったのに、
モモだけが部長の側に歩み寄り、
笑顔で「何かお手伝いすることは・・・?」
声をかけていた。
私にもあんな事ができれば、
もっと仕事の幅が広がるだろうに・・・。
それにしても、部長の時といい、
今日私に話しかけた時といい、
あの明るすぎる笑顔はどうだろう・・・。
もしかしたら、モモの顔の表情筋を
コントロールするシステムに
問題でも生じたのかもしれない。
一応、上のものに報告しておかなければ・・・。