面白いゲームでした。本作は龍が如くシリーズの外伝作品です。

 

龍が如く同様、下剋上の要素が強いです。主人公である八神隆之は、過去の事件の裁判について因縁をつけられ、弁護士をやめ探偵業を営んでいます。この時点で、「成り上がり」という要素があります。

 

生野はアドテック9の本当の開発者であるためか、アドテック9が危ない薬とわかっていても、アドテック9は素晴らしい薬だと信じ込んでいました。アドテック9という薬が生野のアイデンティティだったのかと考察します。

 

ラスボスである黒岩満は元々警察に所属していながら機密情報を外部に流す情報屋でした。しかし、徐々に闇の世界に入っていき、最終的に殺し屋にまで変貌しました。一度黒い世界に足を踏み入れるともう元には戻れないことを示しているのでしょうか?

 

一方の八神も一度弁護士を廃業して黒岩同様落ちぶれましたが、完全に濡れ衣を着せられているだけなので、八神自身は何も悪いことはやっていません。

 

つまり、「一度道を踏み外しても、自分が正しいと思う道を進んでいたら、なんとかなる」ということを、八神と黒岩の比較によって示していると思います。黒岩自身、情報屋をやっていた時、「自分は悪いことをやっている」という自覚はあったと思います。

 

その黒岩の影に隠れて、厚生労働省の事務次官である一ノ瀬という巨悪もいました。一ノ瀬はアドテック9の利権目的で事件に関与していました。ある人を隠れ蓑にして暗躍するキャラクターがいるという展開は、ジャッジアイズに限らず、龍が如くシリーズでもよく見られるパターンです。

 

味方陣営でいくと、東は口で色々言いながらも協力してくれる善人です。その善人な部分に毎度漬け込まれているとも解釈できます。東は個人的に好きなキャラクターです。

 

次に、ゲームシステム面に関して申させてもらうと、致命傷というシステムはいらなかったように思えます。通常の回復アイテムでは回復できないし、わざわざ公園へおもむき、マンホールの下に潜り、地下にある医療する場所にいかなくては行けないのが非常に面倒でした。薬屋で医療キットを買いだめしておき、それで致命傷を回復することは可能でした。しかし、地下に行って治す方が料金として安いのと、特定の回復薬でしか回復できないという点で、やはり致命傷のシステムはいらなかったように思えます。

 

ただ、肝心のストーリーは先が常に気になる展開をしており、それぞれのキャラクターの特徴は色濃く残していたので、均整の取れた良作だといえます。

 

 

 

↓JUDGE EYES:死神の遺言の続編です。こちらも非常に面白い作品です。