なぜ、本作品の世間の評価が低いのか、全くわからない。神作品であった。

南雲は最初いけ好かない人だったが、徐々に魅力が伝わってきた。態度をしきりに変えるところも愛らしく感じる。

 

 

巌見恒雄が仕組んだ一連の事件であったが、事の真相以上にそれぞれのキャラの死に際のシーンにて、キャラごとの魅力が伝わってきた作品であった。

 

 

広瀬も尾道の秘密を知らされず巌見会長に仕えてきたが、結局自分の子分は殺せず巌見会長に殺された。

 

 

染谷は清美を盾にされたことで自決し、南雲も染谷の死後、染谷の遺志に答えた。

 

 

龍が如くの良いところが存分に出た本作だったと感じる。桐生はいつもハズレくじを引かされているが、彼はそれをもろともせず自分の生き方を真っ当しようともがいている。

 

 

ラストの締め方も非常に好みであった。まだ、歩くこともおぼつかないハルトを応援するアサガオ一行と宇佐美。そこで遥は「ガンバレ」と結構強めの口調でハルトに言った。ただ、優しく言うのではなく、強めの口調で言っているのがポイントである。

 

 

つまり、これまで超えてきた修羅場の経験と母親としての志がそういった遥の口調に繋がっているのではないかと感じる。

 

 

こんな不遇の境遇でもがき続ける彼らがいるのに、わたしたちは彼らと比べたらかなり些末なことで悶え悩み苦しんでいる。ありきたりな言葉かもしれないが、頑張って強くあろう、と感じた。

 

 

本作はもちろんフィクションだが、このフィクションから感じた自分の思いはノンフィクション。つまり、本物だろう。