電車の改札をくぐっているとき、ふと英くんがくれた電話のことを思い出した。
たぶんあれは初デートも済んだ後の日のこと。
恋愛、彼氏、右も左もわからないまではいかないけれど、ちょっと方向音痴だったころ、彼が電話してきてくれたのを覚えてる。
電話来ただけでドキドキして、親に何にも言わないでこそっと家を抜け出して話した。
あまり長い時間ではなかったと思う。
たいして2人の距離を縮めた電話でもなかったと思う。
ただ、なんかちょっとくすぐったくて、でも嬉しくって。
そうやって意味もないのに電話してくれるのが恋人なんだなって、俺にもやっとそういう存在ができたんだな、ってちょっとジーンとした。
今ではそんな感動もなくって、たまに電話無視しちゃうときもある。
だけど、お互いにほかの人には聞かせられない甘えた声で、会話するのが幸せだったりして。




