あらすじ

マリィの死を思い出すミツヒデ。

マリィが死ぬ前に見ていた夢が、上司エグの夢と重なり合う。

エグ、そしてエグの家族を救うためミツヒデは、マリィの姉マリィだ!と共にエグの家を訪ねていた。

 

 

「いきなり、お出かけなんてどういう風の吹きまわしかしら?」かちゅーしゃは、駅のホームで嬉しそうに話してる。

 

「たまにはいいだろ?(笑)最近どこにも出かけてなかったしな、上手く休みも取れたからだよ。」

 

エグは、かちゅーしゃとジョニーを連れて朝から出かけていた。

 

そう、家族の死を防ぐためエグの考えれる中で最善の手を打っていた。

 

2人が家にいなければ夢で起こった出来事は起こるはずもない。

 

「ぱぱ、どこにいくのー?遊園地にいきたい!」

 

「あー、分かった分かった(笑)今日はお泊まりもするからゆっくり遊べるぞ!」

 

丁度そう言った時、エグの電話が鳴った。ミツヒデからである。

 

「エグさん!良かった、出てくれた・・」

 

「どうした?慌てて」

 

「エグさん、奥さんと子供さん、家にいますよね?」

 

「いや・・・俺と出かけているよ(笑)

 

もしかして、ミツヒデも俺の昨日話したこと心配してくれてるのか?」

 

「え・・・?エグさん仕事は?」

 

 

 

 

 

そして・・・

 

それを、モニター越しに見つめている2人。

 

「な、みるちゃん、あーいうことってあり得ると思う?」

 

「夢の事が現実になるってことだよね?普通にないよね・・・」

 

「さすがにここでも、夢の中までは観察できないしな。

 

ただ、ミツヒデの言っていたマリィって子の事も合わせると、エグの言ってた夢も現実に起こっていく感じだよな。

 

エグは、その危険を感じ取って家族を外に連れ出しているのは正解だと思う。」

 

「だよね、そんな気がする。」

 

ただ、何故そんな現象が起きているのかは、えぬるぎも全く分からない。

 

 

えぬるぎは、持っている材料で推測を始める。

 

「な、これとは別で俺とみるくは突然この場所に来たじゃん?

 

そして、何故かあらゆる世界線を見れる観測者になった。

 

でも、モニターの中では何故か俺もみるくも今まで通り生活している

 

意識と体が2つあるともいえる。」

 

「うん、そうだよね、私はここに居るのに、あっちでもちゃんと生活してるもんね。」

 

「かと思えば、時間の制限はあれど、分離しているともいえる自分にいつでも入り込むことができる。

 

ただし、モニターの中の自分に入り込んでいる間は、ここに居る時のように世界線を観測できないし、全てを掌握できない。

 

これもよく分からないんだけど。」

 

「うん、モニターの中の自分に入り込んでる間は、何も分からなくなるもんね。」

 

「で、ここに俺とみるくを来させた人物というか。神?が存在してると考えられる。操る者がいないとこんな所に俺たち来るわけもないしな。

 

そして、その神なら、ひょっとして・・・意図的に人の夢も操れるんじゃないかな?

 

マリィ、エグって人は、言ってしまうと何かしら・・・神を怒らせた?」

 

えぬるぎは、判断材料は少ないものの何故かこれが理にかなっていると思っていた。

 

マリィ、エグの夢は状況は違うものの同じようなもの。

 

1日目は事故にあう、2日目は家族の死、3日目は寝ているときに刺され殺される。

 

そして、4日目に暗闇の中に放り込まれ何も感じ取れなくなる。

 

これは、ある意味3日目までは、夢で回避できるサインを出しているとも取れる。

 

というのも確実に防ぐ行動をすることができるからだ。

 

ただ・・・4日目はどうなんだろう?夢ではヒントとなるものが全く無いと思える。

 

はたして防げるのか?4日目は何を行っても助からないとしたら、それは何故か・・・

 

 

考えすぎかもしれないが、神の・・・気まぐれの遊びにすぎなにのではないか?

 

 

えぬるぎは、数少ない材料から勝手な推測をおこなっているに過ぎないが、あながち誤りでもなかった。

 

 

 

そう、まさに2人はいく神に選ばれた観測者。

 

既に、人間を超えた存在。

 

あらゆる世界線の映るモニター。そして、その全てを恐ろしいことに同時に把握できる能力をもてている。

 

人の動き人の声が目や耳を通して、全ての人の行動・言動が頭に飛び込んで把握できる能力。

 

昔、7人の声を聞き分けられたと伝えられている聖徳太子を考えてもらえればいい。

 

その能力の比ではない恐ろしい能力を身につけているえぬるぎとみるく。

 

ここに来た時2人は流石に混乱したが、今では当たり前の事となっている。

 

 

「私たちで何かできることが無いかな?

 

あのエグさんて言う人、次の日に寝てしまったら、夢のとおり殺されてしまうんだよね?」

 

「うん、ミツヒデって人の話からすると、その可能性がかなり高い。」

 

「どうにかならないかな?」

 

「いや、これもすんなり回避できるとは思うよ。

 

起こることが明日に限定できるなら寝なければ問題ないと思うから。」

 

「あっ!そっか・・・ミツヒデさんも動いているし、エグさんても何となく気付いているぽいから大丈夫かな?」

 

「うん、ただ問題は4日目の夢。

 

これは、この夢の原因を解決しないことにはどうしようもないような気がする・・・。」

 

「何も感じれなくなるんだよね・・・」

 

「そう、エグさんて人にしてもマリィって子にしても同じ夢を見ている。

 

夢に3日目までのようにヒントはないから原因を突き止めないと防ぎようがないとしか言いようがないんだ。」

 

「とりあえず、ミツヒデって人に接触してみない?マリィだ!って人もいるし何かしら分かるかもしれないし。」

 

「そうだな、レイコさんの上司でもあるし、レイコさんに言って接触してみようか?」

 

モニターの中に滞在できる時間は5時間。

 

5時間たつと、意識が飛んでこちらに戻る。

 

そして5時間は再度入り込めない事は分かっている。

 

そのことを計算するなら今行くのがベストだとえぬるぎは瞬時に計算していた。

 

「ね、このことと関係ないんだけど。」

 

「どうかした?」

 

「ここに来てから1カ月が過ぎたよね?最初はパニクったけど何故かここに居るのが当たり前と思っているのも不思議なのも一つあるんだけど。」

 

「言われてみれば・・・何故か初めからここに居て当たり前と思ってる!」

 

「でしょ?あと何故か判らないんだけど・・・」みるくは言うのをためらっている。

 

「ん?なにか気になること他にある?」

 

「たまたま知ってるからあれなんだけど、えぬくんはいくしんさんって頭に飛び込んでくる?

 

知ってる人で、いくしんさんだけ見えない時があるの

 

あ!今は見えるけど。仕事場に居るね。」

 

えぬるぎは、みるくの観察力に驚いた。

 

言われてみると、知ってる人の中ではいくしんさんだけ観測できてない時がある。

 

見ず知らずの人でもこんな人もいるのかもしれないが、何か引っかかる。

 

 

 

つづく