2月4日は、ワールド・キャンサー・デイだとか。ちょうど一年前のその日、左腎尿管の全摘除手術を受けた。今年のその日に、1年後の経過観察の検査を受けた。血液検査、CT、膀胱鏡、全て異変異常なしということで、とりあえず一安心。あと1年間、3ヶ月毎の検査、その後は半年毎の検査で術後5年まで、さらにその後は1年に一回の検査で術後10年まで。10年経てば無罪放免とのことだが、そんな先のことまで想像する余裕はない。

泌尿器科外来は、男性中心の中高年天国。訪れた曜日は前立腺と尿路の腫瘍外来が中心なので、診察や検査を待つ患者は、どんよりと重苦しい静けさ。そんな暗い雰囲気のなか、診察室から出てきた看護師さんが、「〇〇さん〜」と明るく患者を呼び出す。立ち上がった老齢の男性患者に近づいたその看護師さんは、大きい声で「〇〇さん、これ、さっき血圧測定の結果用紙出してもらったけど、これ、カレーうどんの領収書やったよ。」周りの我々は、思わず「はっ、はっ、はっ」と笑わずにはいられない。コロナでできるだけ病院には来たくなかったと思う者にとって、こういう微笑ましい光景は、ほっと一息つける機会となった。