彼との衝撃的かつ変態的な出逢いと、愛に至る道のりを語っていきます。
これは彼との愛の物語
彼とつきあい始めてから2度目の冬。年末から年始にかけて大雪だった。
看護師という仕事には盆も正月もない。三賀日は仕事に明け暮れ、やっと訪れた休日のことだった。
彼の家は年始回りも済み、残りの正月休みに暇をもてあましている様子。ゆっくり出かけることはできなくても、ほんの一目だけでもいい。彼に会いたい気持ちで一杯の私は、買い物を口実に家を出た。
休日は家を空けられないことは知っている。でも、ちょっと煙草を買いにいくくらいの口実で出られる時間なら…
私が足を向けたのは、彼の家の近くにあるお寺だった。そこそこ名のあるお寺で初詣客も多いところだから、少し立ち話をする程度なら近所の人が見ていたところで怪しまれもしないだろう。
ところがここでハプニングが起こる。お寺は小高い山の上。大雪のせいで路肩にうず高く積もった雪のせいで車のすれ違いが困難な状態。路肩に寄せて対向車をやり過ごした後で発進しようとしたけれど、雪だまりに足を取られて坂を登れない。少し下がってはアクセルを踏み直すことを繰り返しているうちに、左後輪が側溝に落ちてしまった。
当時乗っていたのはNOAH。とても人力で引き上げることはできず立ち往生。なぜこんなところにいるのか説明できないのだから、夫に助けを求めるわけにはいかないし、そもそも呼んだところで頼りにもならない。
とりあえずJAFを呼んだけれど、大雪のため要請がパンク状態で3時間待ち。途方に暮れながらこの日何度目かのLINEを彼に送る。何故かこの日は朝から彼からの返事がなかった。既読もつかない。
ガソリンの残りが心もとないのでエンジンを切って、後部シートでコートを被って丸くなる。彼に会えなくても少しでも彼の近くに行きたくて来てみたものの、LINEさえ繋がらない。いったい彼はどうしてしまったのか?寒さと不安と心細さで泣きそうだった。
車に籠もって待つこと2時間ほど経った頃、時刻は13時過ぎ。やっと彼からのLINEが届いた。
「大丈夫?助けに行きたいけど、朝からお腹痛くて我慢できなくなって病院来たんだ。検査したら盲腸だって。今すぐ入院して手術だって」
予想外の事態。彼の身を案じて不安でじっとしていられなくて、無駄と知りながら車の下を覗いたり少しばかりの雪を避けたりしてJAFの到着を待つ。
やっと雪の山から脱出した私は急いで彼のいる病院へ向かった。自分が勤めている病院なので、顔パスで救急外来にも入ることができる。
「友達が虫垂炎で入院だって言うから、ちょっと顔見てっていい?」
まだ入院のベッドが準備できていないということで、彼は外来のベッドで休んでいた。少し顔色は悪いけれど、私の顔を見て嬉しそうに笑う。
「いや、まいった。なんかお腹痛いけど何回トイレ行っても治らないし、盲腸とはなぁ。破裂寸前だから今すぐ入院だって」
「笑いごとじゃないでしょ」
案外元気そうな彼を見て少しホッとした。少しの間そばにいて、病棟へ案内される彼を見送った。
翌日、早く出勤して彼の病室に寄って飲み物を差し入れたけれど、彼はまだ眠っていた。昼休みの頃には個室から一般病床に移されて、早速「腹空いた」なんて言っているので一安心。
何か必要なものがないか尋ねると「いや、寒くてさ。ダウンジャケット着て寝たわ」と言う。寒がりの彼には病院の薄い布団1枚では寒いだろう。
「奥さんに毛布でも持ってきてもらったら?」
そう言う私に彼は渋い顔をして拗ねたように言った。
「嫁も昨日来たけど、パジャマだけ置いてさっさと帰ったわ。ダウン着て寝るからいい」
あまり妻とうまくいっていないとは聞いていたけれど、こんなときくらい優しくしてくれてもいいのに…。
そんなことを思いながら私は仕事に戻った。
術後2日目は私が休みだったので、正規の面会時間にお見舞いへ。
パジャマ姿で横になっていた彼が、私の姿を見るなり起き上がる。
「イテテ…。やっぱ痛いな。まあ、座って」
なんて言いながら笑顔でベッドに座るように促す。
「私はいいから寝てなさい!」
腹腔鏡とはいえ術後2日目で痛くないわけはない。
しばらくは体の具合や入院生活の話なんかを聞きながら、彼の頭やお腹をナデナデしていたのだけれど…。彼が私の手を股間に導く。
「そんな元気あるの?」
「ここ痛いから、こっちだけでも気持ちよくなりたい」
「見つかったら大目玉だよ。たぶん私の方が」
なんて言いながらも、彼の股間を手と舌で愛撫する。
「ああ、気持ちいい。お腹まで痛くない気がする。やっぱりあっちのフェ○は最高やな。痛み止めよりよっぽど効く」
しかし彼はお口ではいけない人。
「もう我慢できん」
彼が私の下着に手をかけるのを、さすがに止める。
「ダメ!ここまで」
「えー」
と残念がる彼を残して病室をあとにした。