ともすれば、人手不足、過労、睡眠不足で崩壊しかねないと言われる


医療業界において、いったい何が一番大きな問題なのでしょうか?


 

 医師の側からみると、もちろん、政府の無計画な大学医学部定員の削減、


女性医師の産休や結婚退職が毎年の就業可能な医師の数を減らし、


そのことが直接的に慢性的な人手不足を招いている原因の一つで


ある事に間違いありません。



 一方では、医療が、専門、分化し、


「俺は○○科だから、肺炎は診ません!」


とか、平気で言う人達が増えてきており、一昔前なら、誰もが診ていた


病気を診ない医者が急増していることもその原因ではないでしょうか?



 そして、現実には咳が出るといって、病院にやってきた患者さんが、


総合病院であれば、


呼吸器科で肺炎などの気管支や肺の疾患が無いか診られ、


循環器科で、心不全などの心臓の病気が無いか診られ、


消化器科で逆流性食道炎などの消化管の病気が無いか診られ、


肝臓内科あるいは消火器外科で肝硬変などの肝臓病が無いかを


診られたけれども、分からずじまいで8週間が経過し、


やっと耳鼻咽喉科あるいはアレルギー科で、咳喘息と呼ばれる、


発熱を伴わない咳の出る病気であることが診断され、


気管支拡張剤や抗アレルギー剤で治療されるという有様です。


 

 さらに、現在の診療報酬の点数のつけ方からすると、


ある意味、止むを得ないことですが、診療報酬の高い時期のみ


患者さんを診て、ポイと他の病院に手紙一つで回す輩も残念ながら


少なくありません。


 

 そんな中でも、それぞれの医師が一昔前なら診れて当たり前だった


疾患を診れば、先ほどお話したような患者さんを重複して診るような


効率的でない医療は減り、実は仕事は楽になるのではないでしょうか?


 

 しかし、その一方では医療ミスなどの問題に発展した場合のことを


考え尻込みをして(あるいはエゴで)、専門バカのお偉い先生達が、


そのような患者さん達を診ないため、良心的な医者から疲弊してして


行き、場合によってはドロップ・アウト、過労死することもあると聞きます。



医者も人間です。


人間はミスを犯す動物です。

 

ミスは、過労に比例して増加します。


そして、過労を紙一重で支えている根性にも限界があります。


ミスを責めるだけでなく、それをを起こす原因にこそ


今こそメスを入れなければいけません。


 

そんな疲弊した医療業界で、少しでも周りの皆さんが


手を差し伸べて(A Little Help)くれたら、多少なりとも


善良な医師の過労、睡眠不足も減るかと思います。


 

以上のような理由で、つたない勤務医ではありますが、


日常診療における鑑別診断と治療についての覚書を、


若干の手助けになればと思い書いてみることにしました。



 建設的な意見があれば、レスなど頂ければ幸いです。


何卒、皆様、宜しくお願いいたします。





※尚、当ブログを用いて起きたいかなる事件・事故につきましても、


残念ながら、当方は一切の責任を持ちません。


現場の方々で、最終的に良く相談して診療に当たって下さい。


あしからず。