昭和45年3月15日に新発売された《チェリー》は大阪万博の会場で試験販売されましたが、その後全国展開しています。9月1日には新しいデザインが用意されて試験販売が実施されていますので、その後に全国での販売が開始されたと考えられます。

 

新しいデザインのパッケージは北海道で試験販売が実施されました。赤色地に桜の木のシルエットが描かれています。【札幌】、【小樽】、【岩見沢】の各都市で販売されたようです。

 

専売公社が刊行している〚日本のたばこデザイン〛には、発売が昭和45年(1970年)9月1日と記載されていますが、試験販売が終了した日時は記載されていません。

 

 

 

そして、7年後となる昭和52年(1977年)には再び北海道で《チェリー》の試験販売が実施されています。北海道の販売地域は【札幌】、【函館】、【旭川】だったようです。この頃は、私がたばこパッケージの収集に最も夢中になっていた時代です。

 

昭和52年当時は、間に7年の期間を置いて2回も北海道で試験販売された事に驚きよりも不思議な感じがしたものです。『チェリーはなぜ北海道が選ばれるのだろう?』と思っていました。

 

私の出身地である静岡もよく試験販売の地域に選ばれる土地柄で、その理由は《日本橋たばこサービスセンター》で聞いていたのでなおさら強く感じました。

 

ただ、北海道の試験販売については《日本橋たばこサービスセンター》で聞いていません。と言うより、明確な回答が得られなかったのではなかったかと記憶しています。

 

都内の《たばこサービスセンター》では試験販売の《チェリー》を販売していませんでしたので、《札幌たばこサービスセンター》の住所を聞いて郵便で依頼して購入しています。

 

 

 

 

 

 

           北海道 試験販売  チェリー

 

                札幌 小樽 岩見沢

 

    昭和45年(1970年) 9月1日  発売   定価 100円             

 

昭和45年(1970年)9月13日に大阪万博が終了するのですが、9月1日に試験販売の《チェリー》は発売されています。9月1日の時点で全国展開されたと考えられそうです。

 

ごく初期には、大阪万博の会場で試験販売のパッケージに使用された赤色に白線が縦1本の封緘紙が、こちらのパッケージでも使用されていたようです。

 

高校3年の時、地元の専売公社支局で〚日本のたばこデザイン〛を見せて貰って初めて知りました。その写真を拝見した時、♫ この木なんの木 気になる木~ ♫ の歌がすぐに思い浮かびました。当時の思い出として残っています。〚日本のたばこデザイン〛には、デザインは桜の木とあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

           北海道 試験販売  チェリー

 

                 札幌 函館 旭川

 

     昭和52年(1977年)  7月16日  発売   定価 150円

     昭和53年(1978年)10月     製造中止

 

こちらの試験販売が実施された頃には《チェリー》は販売が低迷していたようです。販売促進の打開策として用意されたと聞いています。

 

当初は《旧チェリー》より人気があってよく売れたようですが、試験販売の後半には売り上げが伸び悩んで結局廃止される事になったと〚日本橋たばこサービスセンター〛で聞きました。

 

昭和52年(1977年)12月に、その〚日本橋たばこサービスセンター〛で北海道 札幌の三越に設置された〚札幌たばこサービスセンター〛の住所を聞き、1カートン郵便で送ってもらいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昭和50年(1975年)頃より、当時集めていたたばこは全て開いています。1972年に刊行された〚日本のたばこデザイン〛にペーパーの展開写真が掲載されていて面白いので真似をしてみました。

 

従来のデザインには紅赤色で桜の花枝と英語表記の品名が描かれていますが、こちらは同じ紅赤色で英語表記の品名だけが書かれています。フィルター部分に見られる2本の金ラインは同じです。

 

 

 

 

 


 

 


札幌の〚たばこサービスセンター〛へ郵頼して1カートン購入しましたので、2個はセロファンをつけたままの形で残しておきました。上部の糊付け部分だけを剥がして中のたばこを抜いて、代わりに綿を詰めています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     ロングサイズ 《サムタイム》

 

            札幌 岡山 試験販売 

 

   昭和52年(1977年)  6月  1日  発売   定価 150円

   昭和53年(1978年)  6月     製造中止

 

同時期に新しいメンソールたばこ《サムタイム》も札幌、岡山とその周辺で試験販売が実施されています。《エムエフ》と交代する事になる銘柄です。

 

試験販売当初、札幌では試験販売で廃止された〈ロングサイズ〉の《サムタイム》と《チェリー》が一緒に販売されていました。

 

昭和52年(1977年)12月に、北海道の〚たばこサービスセンター〛へ郵頼して《サムタイム》と《チェリー》を一緒に購入していますので参考に掲載しておきます。

 

 

同じ北海道でのテストマーケットと言う事でご紹介しておきます。サイズの変化があり、全国展開の《サムタイム》は〈ロングサイズ〉ではなく〈キングサイズスリム〉になります。

 

札幌では〈ロングサイズ〉と〈キングサイズスリム〉の試験販売になりますが、ここでは初期のパッケージだけにとどめ、いずれ《サムタイム》は改めてご紹介します。

 

 

 

 

 

北海道でテストマーケットの《チェリー》をご紹介しました。北海道繋がりで同時期に札幌でテストマーケットが実施された《サムタイム》を参考に掲載しています。

 

 

 

 

 

 

 

次回からしばらく〈フィルターたばこ〉から離れて、〈パイプたばこ〉や〈葉巻〉〈シガリロ〉などをご紹介する予定です。