《ハイライト》の人気にあやかって、多くの仲間が登場しています。今回は《ハイライト》の名前を冠した仲間として、最初に発売された《ハイライト デラックス》をご紹介します。

 

価格は2級品の《ハイライト》よりランクが高く、1級品の《ホープ》《ピース》と同じクラスです。因みに、1978年以降は〚日本専売公社〛の2級品銘柄は《ハイライト》だけでした。

 

昭和35年(1960年)に発売された《ハイライト》は若い人を中心に大人気となります。新しい喫煙者も増加したのでしょう。当時の若い人ですから、戦前から団塊の世代あたりの方たちです。

 

昭和35年には世界で最大量の生産銘柄となり、昭和43年(1968年)には、世界で1番の売り上げを誇る銘柄となったそうです。そうした人気からいくつか仲間が増えました。

 

 

ところで、現在は当たり前になっている安全上の観点から必要不可欠なセロファン包装ですが、銘柄ごとに個別に始まったようです。最初は昭和28年、両切りの高級たばこ《富士》なのだそうです。

 

昭和35年発売の《ハイライト》は最初からフィルム包装されていたと言う事です。一般的に広く普及するのは昭和46年頃のようです。はっきりとした事は分かりませんが《ハイライトデラックス》も最初から外装セロファンは装填されていたのではないでしょうか?。

 

 

《ハイライトデラックス》は、昭和43年5月1日の一斉値上げに併せてパッケージのデザインが変更されています。地色がグレー系からエンジ色系に変更されました。

 

この時の値上げに併せてパッケージが変更された銘柄は、《ハイライトデラックス》と《わかば》、両切り《ショートピース》《しんせい》《いこい》の5種類が見られます。他の銘柄は暫定封緘紙やシールの貼付で対応していました。

 

 

 

以前《ハイライト》の仲間は全てまとめてご紹介していますが、現在【フィルターたばこ】を銘柄別の発売順にご紹介して行く予定でいますので、改めて単独でのご紹介です。

 

 

こちらのロングサイズ《ハイライトデラックス》は、フィルターたばことしては《泉》に続いて発売された、〚日本専売公社〛による13番目の新製品となります。

 

 

 

 

 

 

             ハイライト デラックス

 

    ①昭和42年(1967年)7月20日   発売   定価 80円

   時期不詳(昭和43年?)         封緘紙の変更により中止

 

 

《ハイライト》の定価が70円だった時代に、定価80円で新発売されました。翌年の昭和43年5月に実施された定価改定により、20円値上げされて定価が100円となります。

 

当時喫煙していた兄やその友人たちは、愛称と言うか≪ハイデラ≫ と略して呼んでいました。封緘紙は初期には水色でしたが間もなく変更されて茶色になります。

 

昭和43年5月には定価改定のためにパッケージの色が変更されます。このパッケージは僅か10ヶ月の販売でした。その間に封緘紙も変更されていて、10ヶ月間で目まぐるしい変化です。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

               証紙の印刷色 茶色となる

 

    ②時期不詳(昭和43年?)         封緘紙変更

       昭和43年(1968年)5月      印刷色変更により中止

 

発売当初は水色だった封緘紙が茶色に変更されました。同時に金で表示されている【DELUXE】の文字にも変化が見られます。当初は金色が薄かったのですが、厚く盛り上がって輝きが増しました。

 

 

この証紙の時に昭和43年5月の一斉値上を迎えます。《ハイライト》と《ハイライトデラックス》の新価格対応品には、暫定的に新しいデザインの封緘紙が色違いで用意されました。

 

《ハイライト》は青色系の波線模様で、《ハイライトデラックス》は茶色系の波線模様です。もともと使用されている封緘紙と同じ色調で暫定封緘紙の色が印刷されています。

 

これは想像ですが、もしかすると同じデザインで用意していた【暫定封緘紙】を区別する必要性から、先行して水色だった封緘紙を茶色にしておいたのかもしれません。

 

暫定封緘紙は2銘柄とも同じデザインです。この暫定封緘紙のデザインは後に《ハイライト25》に引き継がれています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      参考  ③昭和43年5月1日 定価改定 暫定封緘紙

 

          1972年発行 〚日本のたばこデザイン1904~1972〛より

 

 

          〚日本のたばこデザイン〛の画像をお借りしています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   ④昭和43年(1968年)5月  1日     印刷色変更(エンジ色となる) 

    昭和47年(1972年)1月31日   製造中止

 

昭和43年5月の定価改定に併せて、新価格品として印刷色が変更されました。この時の定価改定でデザインが変更された銘柄は、こちらの《ハイライトデラックス》の他に《わかば》、また両切りの《いこい》《しんせい》《ショートピース》の5種類があります。

 

〈健康表示〉の義務が1972年4月に閣議決定されます。〈健康表示〉は7月に登場しますが、その半年前に製造中止となっています。

 

この彩色のパッケージは兄が持っていて私にも覚えがあります。しかし当時中学生だったので実際に購入した事もなく、パッケージもたばこを開いたペーパーもまだ残していません。パッケージは全て琉球煙草の研究でお世話になった方にいただいています。

 

 

 

 

 

 

 

 

     〚日本専売公社〛の時代、《ハイライトデラックス》で実施された定価改定

 

         昭和42年(1967年)   7月 20日 発売     定価    80円

         昭和43年(1968年)   5月   1日        定価  100

 

 

昭和43年(1968年)5月1日に、専売公社として初めての一斉値上げが実施されました。旧価格品と新価格品を区別するために、銘柄によっていくつかのパッケージ変化が見られます。

 

● 封緘紙のデザインを変えずに、暫定的に印刷色を変化させる。

  《ホープ》《ピース》《ルナ》《ハイライト》《ハイライトデラックス》《mf エムエフ》

  《ひびき》《トリオ》《スリーエー》の、9種類の暫定封緘紙が確認できます。

 

  《ハイライト》と《ハイライトデラックス》は、《ハイライト25》の封緘紙と同じデザインで

  (25)の数字が消された色違いです。その暫定封緘紙が《ハイライト25》に引き継がれます。

 

 

● 定価改定の丸型の小さなシールをパッケージに貼付する。

 

定価改定のシールは全6種類が用意されたようです。印刷色と併せて中央の星の数がそれぞれ違います。たばこの値上げ価額によって違うようです。ただし、赤色=星1個は共通用なのだそうです。

 

 

こちらは赤色で中央の星が1個です。他に赤紫色=星1個、青色=星2個、オリーブ色=星3個、

レモン色=星4個、また中央に星の代わりに〈輸入たばこ〉と書かれたタイプを加えて6種類です。

 

はっきり分かりませんが、改定額が星1個=10円、星2個=20円、星3個=30円、星4個=40円なのだと思います。星の数で10円~40円までの値上げ金額を表しているようです。

 

 

 

《ハイライトデラックス》には値上げ専用の暫定封緘紙が用意されています。暫定封緘紙とは別に、20円の値上げと言う事で〈青色=星2個〉のシールの貼付を確認しています。

 

 

昭和43年(1968年)5月1日の定価改定はフィルム包装が普及する前の事です。定価改定のシールは、まだいくつかの銘柄でパッケージに直接貼付されていたと思います。

 

しかし《ハイライト》では昭和35年(1960年)の発売当初からセロファン包装されていましたがシールの貼付を見かけました。他の全銘柄に対しても、セロファンが装填される前に直接パッケージにシールを貼付していたのでしょうか?。

 

 

 

 

この2種類の方法が採られたようです。銘柄によって違うようですが、当時小学生だった私には詳しい事は分かりません。学生時代にも《たばこサービスセンター》で伺っていませんでした。


 


 

 

 

 

他の銘柄と共通するパッケージの変化はありませんが、途中から外装フィルムが使用されています。

外装セロファンの第一号は、昭和28年に発売の高級たばこ《富士》からだったそうです。

 

  ● 昭和46年頃から、外装セロファンが広く普及する

              (旧3級品にはセロファン包装がありません)

 

2級品の《ハイライト》には発売された昭和35年(1960年)から外装セロファンが装填されていました。1級品の《ハイライトデラックス》にも発売当初の昭和42年(1967年)からセロファンが装填されていた可能性は高いと思われます。正確な事は分かりません。

 

 

また昭和44年5月からは《朝日》を除く全てのたばこ自体に4桁の数字が印刷されて、製造された工場と機械番号が分かるようになりました。

 

 

 

 

 

次回は《ハイライトデラックス》から4ヶ月後に新発売された《ルナ》をご紹介します。