今年、戦後アメリカの統治下にあった琉球が本土に復帰して、新生沖縄県の誕生から50周年を迎えました。そこで、琉球郵政庁の時代の郵便局印をご紹介しています。
今回は【ク】から始まる郵便局の櫛型日付印と欧文日付印です。【ク】から始まる地名は数多く、復帰当時には9か所の郵便局が認められます。
そこで、二回に分けてご紹介します。今回は〔その1〕として≪久志≫から≪國頭≫までの〘5局〙です。
久志 (くし) 本島北部 1946年 8月 1日~1972年 5月13日
具志川 (ぐしかわ) 本島中部 1946年 9月 2日~1972年 5月13日
具志頭 (ぐしちゃん) 本島南部 1946年 7月 1日~1972年 5月13日
城辺 (ぐすくべ) 宮古地区 1945年12月14日~1972年 5月13日
國頭 (くにがみ) 本島北部 1946年 7月 1日~1972年 5月13日
廃局になったり改局になったりと変更が激しいのですが、とりあえず1965年に存在した郵便局印です。その他、復帰までに新たに開局されたり、葉書に押印されたりした日付印も併せています。
廃止局
1953年12月には奄美地区が返還されますので、当然廃局となります。1953年に廃局になった奄美地区や、50年代~60年代に他局に統廃合されたり、改称された局は含めていません。
【ク】から始まる地名の郵便局は、奄美地区の〘3局〙が廃局になりました。また八重山地区で
〘1局〙が廃止され、本島北部でも〘2局〙が廃止されていますが、複雑です。
久慈 (くじ) 奄美地区 1946年 3月13日~1953年12月24日
犬田布 (けんたぶ) 奄美地区 1946年 3月13日~1953年12月24日
口之島 (くちのしま) 奄美地区 1946年 3月13日~1953年12月24日
久部良 (くぶら) 八重山 1945年12月28日~1947年 3月31日
久志 (くし) 本島北部 1945年 9月 4日~1946年 7月30日 久辺に改称
久辺 (くべ) 本島北部 1946年 8月 1日~1947年 6月30日廃局のち開局
【久辺 (くべ) 本島北部 1960年 5月19日~1972年 5月14日 復活】
1945年に≪久志≫が開局されますが、1946年には1年で≪久辺≫に改称され、新たに≪久志≫が誕生して復帰まで続きます。するとその後、今度は1947年には≪久辺≫が1年で廃局となりました。そして1960年に改めて≪久辺≫が誕生しています。
≪久部良≫局は1947年3月に廃局となりますが、1956年2月4日からは≪与那国局 久部良分室≫として新たに開局しています。
100局以上ありますので、50周年となる今年の間にゆっくりとご紹介していきます。一回に5局~6局あたりのご紹介を予定しています。ご笑覧いただく皆様も、のんびりとご覧ください。
私の中では一応、復帰50周年記念のご紹介と位置付けています。
1970年~1972年5月までの間に開局された郵便局は、短命期間局として知られています。日付で分かりますが、それぞれの郵便局にその旨補足説明をしておきます。
久志
(くし)
1946年 8月 1日~1972年 5月13日
1945年の開局から僅か1年弱で≪久辺≫に改称され、同時期新たに≪久志≫が誕生しています。そして復帰まで営業を続けています。
1965年 9月10日 【本島北部】
櫛型日付印 欧文日付印
具志川
(ぐしかわ)
1946年 9月 2日~1972年 5月13日
1965年 9月 9日 【本島中部】
櫛型日付印 欧文日付印
具志頭
(ぐしちゃん)
1946年 7月 1日~1972年 5月13日
1965年 9月 8日 【本島南部】
櫛型日付印 欧文日付印
城辺
(ぐすくべ)
1945年12月14日~1972年 5月13日
1965年 9月20日 【宮古地区】
櫛型日付印 欧文日付印
國頭
(くにがみ)
1946年 8月 1日~1972年 5月13日
1965年 9月10日 【本島北部】
櫛型日付印 欧文日付印
台になっている葉書には、1962年から発売されている〔普通切手〕から、【花シリーズ】の最低額面である≪ゆうな≫の描かれた、1/2¢が使用されています。
当時の葉書料金が1 1/2¢なので3枚貼付して2種類の日付印を押印しています。1971年9月1日より葉書料金が2¢に値上げされると、間もなくこの切手は姿を消しました。
ここまでで45局