昭和58年(1983年)頃から色々な種類のインスタントラーメンを食べて、そのパッケージを残しておこうと思った私は、手軽に身の回りで手に入るものだけ集め始めました。各地から取り寄せたりする必要のある、全国のご当地ラーメンには手を着けませんでしたので、地方の珍しいパッケージは揃っていません。

 

大手メーカーが販売する製品やドラッグストアーで扱う廉価商品が多いのですが、マルちゃんなどの幼い頃から家にあった製品には多くの思い出もあります。新製品が一年ほどで姿を消してしまう事も多く、いま改めて眺めると懐かしいものです。

 

ところで、先代が洋品店で私は学生時代から仕入れを手伝っていましたので、馬喰町から横山町あたりにはよく行きました。そんな時代の中、昭和60年頃になると大きな洋品専門問屋でも、雑貨や食料品を広く扱うようになってたのです。そこで見かけたインスタントラーメンはなかなか珍しそうなのでご紹介します。

 

大阪にある、(株)末広酵素研究所と言う健康食品の製造卸を行う会社が用意したインスタントラーメンです。シンプルなデザインで、いかにも健康食品としてのインスタントラーメンらしい雰囲気を持っています。

 

ネットを拝見していると、インスタントラーメンのパッケージを調査されていたり、ご趣味で所蔵されている方が大変多いのですが、何千と言うパッケージを網羅されている猛者もいらっしゃいます。今回ご紹介するパッケージは、そうした方の画像でも見かけませんでした。

 

 

 

                 株式会社 末広酵素研究所

 

かん水、酸化防止剤無使用、無漂白粉使用、現在なら普通に存在するのでしょうが、この当時はまだ珍しかったのかもしれません。味はあまり良く覚えていませんが、どの味付けも薄味だった事は記憶に残っています。塩分にも気を使っていたのでしょうか。麺のもちもち感は少なく、固ゆでが丁度良いようでした。

 

今では全ての製品に印刷されている【栄養成分表】が見られます。この時代、他の製品には見られません。

 

                 スエヒロ  野菜塩ラーメン

                                           

                昭和60年5月10日  製造

 

 

                     粉末スープ

 

多色印刷のごく一般的なインスタントラーメンのデザインです。私が見かけた時には野菜塩ラーメンしかありませんでした。このデザインで醤油味、みそ味があったのか分かりません。

 

健康志向に特化したラーメンで、野菜を使った塩味だけを用意していた可能性はあります。翌年の新しいデザインから三種類を揃えて作られたのかもしれません…。

 

 

 

 

 

 

翌年新たに三種類が登場しますが、二色刷りで袋もわずかに薄くなっています。商品単価を抑えるための経費節減なのでしょうか。その一方で、シンプルで地味なデザインなので健康食品と言うイメージは感じられます。

 

                  野菜塩味 中華風めん

                                            

                昭和61年7月26日  製造

 

 

 

                    粉末スープ

  

          同じデザインですが、サイズが大きくなっています。

 

同じ野菜塩味ですが、デザインが一新されています。味に違いがあったのか?、忘れていますが記憶に残っていないと言う事は、たぶん同じ味だと感じたのだと思います。

 

 

 

 

 

 

 

                 しょうゆ味 中華風めん

                                    

               昭和61年7月28日  製造

 

 

                     粉末スープ

 

しょう油ラーメンですが、関東風の醤油ラーメンとは全く違う、淡い味付けだったと思います。濃い味付けの好きな静岡育ちの私は、「何だか、これも塩ラーメンみたいだナ」 と感じた事を覚えています。

 

 

 

 

 

                  みそ味 中華風めん

                              

                昭和61年7月28日  製造

 

 

みそ味 中華風めんの粉末スープの袋は残していません。どうも処分してしまったようです。こってり系の一般的なみそラーメンに比べると、こちらはみその風味も淡くあっさりとしたスープでした。