十五世紀のフィレンツェ、
友達になるのはいつも夕暮れだった。
誰にも信じてもらえなかった言葉を、
誰かが絵にし、誰かが政にし、
そして誰かが剣に変えた。
学生のような目をした少年は、橋の上で「世界を変える」と言った。
誰にも聞こえなかったけれど、
彼の声は歴史に染みこんだ。
ある者は絵を売り、ある者は神を売り、
ある者は都市を守るために剣を取った。
誰が正しかったのかなんて、きっと誰も知らない。
ただ、若かった僕らは、確かに空を見ていた。
あの頃のままじゃいられなかったけど、
あの頃のままじゃ、何も守れなかった。
――だから彼らは、戦った。
参考文献:『メディチ家の興亡』『ルネサンスとは何か』