沈んだのは、ただの宝船ではなかった。
それはひとつの時代の終わりであり、もうひとつの時代の始まりだった。

スペインのガレオン船がカリブの海に消えたとき、岸辺の誰かが呟いた。
「じゃあ、次は俺たちの番だ。」

誰にも祝福されない王国。
誰にも守られない自由。














港の酒場に集う彼らは、ただの荒くれ者でも、ただの犯罪者でもなかった。
それぞれの過去を持ち、それぞれの怒りと願いを抱え、
新しい秩序を、自分たちの手で作ろうとした者たち。

「俺たちの時代が来る。」

史書に描かれない感情を、私は絵に描いた。

参考文献:
『A General History of the Pyrates』(1724年)