エジプト、プトレマイオス13世の時代。
市場にはギリシャ語が飛び交い、土着のエジプト人たちは疎外感を覚えていた。
本作では、大金の鎖を誇らしげに身につけた13世が街を巡回する場面から始まる。
市場では、ギリシャ人がエジプト人をからかい、言葉の支配が階級の象徴となる。
一人のエジプト人女性がこう叫ぶ——「私はギリシャ語なんて絶対に喋らない!」
その手には尖った器具。言語も、武器になるのだ。
一方、神殿ではアモン神が人の姿を借りて地上に降りるも、街角で“偽物のアモン”に出会って怒り心頭。
神話と現実、政治と信仰の境界が入り乱れるなか、クレオパトラとその幕僚たちは「プトレマイオス13世とは何者か」を議論する。
混沌のなか、笑いと痛みが同居する。それが私たちの描いた、古代エジプトのリアルだ