独立戦争といえば、歴史の教科書には「1775年のレキシントンでの銃声が戦端を開いた」と記されることが多い。しかし実際の始まりは、もっとじわじわと、霧のように日常に入り込んでいた。
私たちの漫画では、そうした「教科書に載らない」情景を描いた。ロンドンからボストン港への航海には3ヶ月を要した。霧に包まれた港には、まだ見ぬ世界の匂いが立ち込める。
ボストンの街中、筆を持つ男が「自由を書きたい」と思いながらも、外の喧騒に気を取られる。彼の手元から、雷の夜、風を受けてあがる凧が浮かぶ。フランクリンである。
そして、かつて英国赤軍に仕えていた若者が、自由の旗を掲げて走り出す。「Give me liberty, or give me death.」その言葉の裏には、長い葛藤と決断があった。
歴史のページの裏側にある人間の感情や迷い。漫画という形で、それを少しでも伝えられたら嬉しい