「罪を犯した者などいない、ただ一片の雪花すらも。」
16ビット時代のピクセルアート、粗削りな線と単純な色。
けれど、その「荒さ」はまるで現実の曖昧さを映し出しているかのようです。
今回のイラスト『明美譚』もその一つ。
右上に佇むのは深い表情を浮かべる明美。彼女の心中は読み取れない。
画面中央に立つ少女は純粋無垢な小鹿のようだが、その目には一抹の影が差している。
ピクセルアートは細部を描かないからこそ、受け手の想像力を掻き立てます。
明美が背負う過去、少女が選ぶ未来。
「すべての選択には代償がある。」
もしあなたが主人公だったら、どうしますか?
見えるものが真実とは限らない。
ピクセルに宿る「曖昧さ」が、選択の重さを問いかけます。