「この味…これは『マテ茶』?」

広大な草原と、その向こうにそびえ立つ山々。ひとりの旅人が静かに水を飲む。何気ないこの一瞬に、彼の表情がわずかに変わった。

「…この味、どこか懐かしい。」




視線の先には、遠くに立つ人影。ゆっくりと近づくその人物が持っているのは、小さな茶器。

「あなたも試してみますか?」

窓の外から差し込む光が、草原を柔らかく包み込む。この場所では、すべての味が新たな記憶になる。