語彙力が欲しい。

そんな観点から、2024年は「読書量を増やす」という事を目標に掲げて3カ月が経ちました。

今まで大好きな作家は「司馬遼太郎」と「小野不由美」で、読書の幅が大分偏っていたので、今年はまず本屋に頻繁に足を運び、「話題図書・本屋大賞ノミネート作品・文芸賞受賞作品・ベストセラー」を中心に情報を集め、図書館をフル活用し、予約が殺到している作品は実際に購入して読書を進めました。

 

当初、年末に読書記録を書こうかな?と思っていたのですが、少しずつ書いていかないと内容を忘れてしまいそうなので、今回ミニ書評と合わせて読了作品をアップすることにしました。

 

①世界でいちばん透きとおった物語 杉井光

②窓ぎわのトットちゃん 黒柳徹子

③十角館の殺人 綾辻行人

④告白 湊かなえ

⑤白夜行 東野圭吾

⑥母性 湊かなえ

⑦傲慢と善良 辻村深月

⑧僕と正義とアンパンマン やなせたかし

⑨流浪の月 凪良ゆう

⑩汝、星のごとく 凪良ゆう

⑪星を編む 凪良ゆう

⑫星の王子さま アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ

⑬君の膵臓をたべたい 住野よる

⑭リラの花咲くけものみち 藤岡陽子

⑮人間失格 太宰治

⑯いつまでも白い羽根 藤岡陽子

⑰容疑者Xの献身 東野圭吾

⑱水車小屋のネネ 津村記久子

 

1カ月に6冊ペース。

このくらいが限界かな、とも思います。

 

文芸賞受賞作品やベストセラーに大きな期待を抱いて読んでみると、「うーん」と思う作品もあったり、逆に、やはり受賞作・ベストセラーだけはある、と唸ったり、感じ方は様々でした。

良きにしろ悪しきにしろ、強烈に印象に残った本は、下記に紹介する5冊でした。

 

★1番新鮮な読後感と驚きを感じた本

 

「世界でいちばん透きとおった物語」杉井光

 

読み終えた後にタイトルの意味が分かる、驚きのトリック。

ネタバレ不可避の、強烈な読後感を感じさせてくれる、新しい感覚の本でした。

今まで読書をしてきて、一番びっくりした本かもしれない。

 

★強烈に残る後味の悪さ

 

「白夜行」東野圭吾

 

加害者であり被害者である二人の男女の成長ストーリー。

時効になってしまった殺人事件を、老齢の刑事が追っていく過程の中で、少年と少女の生き様がラストまで描かれていくのですが、人間の悪意と恐ろしさをまざまざと感じさせられる一冊。

〇キブリも霊も怖いけど、一番恐ろしいのは人間だという事を突きつけられる強烈な後味の悪さ。

書評で絶賛されていた分だけ、突き落とされた感覚が半端ない。

直木賞を受賞した「容疑者Xの献身」の方が読みやすくてポップな感じも受けたけれど、基本的に「殺人」がメインになるミステリーは読書量が多くなると人間不信になりかねない恐ろしさを伴うと個人的に思う。

 

★2023年本屋大賞受賞作品

 

「汝、星のごとく」凪良ゆう

 

プロローグの一文から一気に物語の世界へと引き込まれる、瀬戸内を舞台にした少年と少女の成長と恋愛小説。

特殊な家庭環境で育った2人が成長していく過程と、2人に関わる登場人物も丁寧に描かれ、凪良ゆう独特の芸術的な文章が印象的な一冊。

一気に読み進めてしまって、読後感も素晴らしく、伏線回収もさすが本屋大賞を受賞した本だと唸った作品。

 

★2024年本屋大賞ノミネート作品

 

「星を編む」凪良ゆう

 

「汝、星のごとく」の続編短編小説。

「汝、星のごとく」の登場人物達のその後を描く作品で、その後を知れて満足できると共に、ここでこの伏線回収が入るのかと驚かされる読後感。

「汝、星のごとく」を読んだら、絶対この本も読むべき1冊。

人間の成長と背景をこれでもかとばかりに描く文章が本当に素晴らしい。

 

★吉川英治文学新人賞受賞作品

 

「リラの花咲くけものみち」藤岡陽子

 

今年18冊読んだ中で一番感動した作品。

親の愛情が薄く不登校にもなってしまった少女が、祖母に助けられ、獣医師を目指すべく北海道の地で多くの人々と関わりながら成長していく物語。

「北海道」という自然豊かで厳しい環境の情景描写も素晴らしく、また「獣医師」という職業とその背景について、著者の研究がかなりなされているなと感じるほど細かく描かれている。

成長していく過程の主人公を、読み進めるうちにかなり感情移入してしまい、まるで自分もその場で関わっているような緻密な文章が素晴らしい。

「リラ」というのは北海道では「ライラックの花」の名前で、北海道独特の自然描写が本当に見事で、感動した作品。読後感も素晴らしかった。

 

 

本を探す中で、Amazonのレビューを読むのですが、本を読んだ後にも、星5つから星1つまでのレビューを読むのも読了後の楽しみになりました。

自分の読んだ感想と同じ感想を見つけたり、そう感じるのかと驚いたり、楽しみの一つになっています。

 

言葉に出会いたい、考え方に出会いたい、というテーマも読書を進めるモチベーションになっています。

新しい発見や、新しい感覚に出会える本を、これからも探し続けながら読書を進めます。