ある男性が肝試しにドライブしていたの。
女性の幽霊が出るって噂の山道車

夜道で周りは木が鬱蒼としてるし暗い。
道も悪いし、ちょっと後悔しつつ車を
走らせていたんだけど…

ドン!
突然目の前に女性が飛び込んできて
彼の車にぶつかってしまったの!

(事故った!)

彼は慌てて車を降りた。
けれど、そこには誰もいない。

そんなはずは…と彼は車の前に移動。
「!」
思わず腰を抜かしました。

暗くて気が付かなかったけれど
すぐ目の前は崖。
落ちたら確実に死んじゃうレベル。

彼は瞬時に悟りました。
(さっきのはここで亡くなった
 幽霊で俺が同じ目に合わない
 ように助けてくれたんだ…)


彼は不謹慎な気持ちを恥じるとともに
心の底から感謝しました。

ふと、冷たい風が吹き。

彼のすぐ後ろに女性が姿を現しました。
さっきの人だ!彼は思わず声をかけました。

「助けてくれてありがとう!」




すると彼女は低い声で一言、
こう言いました。




「死ねばよかったのに…」









ガーン





…いえ!



たとえ彼女の狙いがなんであれ、
結果的に助かったのは事実!


「いや、でも助かった!!
   ありがとう!」

「…べ…べつに…」



「お礼に、今度お供え持ってくるよ!」

「ダメよ!落ちたらどうするの!」



後日、約束通りお供えを持っていくと
お弁当を作って待っててくれたそうです。

「つ、作り過ぎただけなんだから…」