SINFUL - SONG

SINFUL - SONG

それは甘く切ない 罪深き歌。

(この創作小説を自由気ままにUPするブログ)

──Do you love me?  ───Yes. I love you.

永遠なんてないけれど、僕は君の事を続く限りの『永遠』で愛し続けるだろう。

永遠なんてないけれど、できることならば『永遠』に僕は君と一緒に生きたい。

(このブログは 創作小説を 自由気ままに UPしていこうと 思っております)

(読むのは自己責任。感想・誤字脱字ツッコミ歓迎。中傷とかはご遠慮申し上げます)

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只今『海と空の境界線~鳥篭ノ中ノ少女~』連載中!!

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私はなんて贅沢なのだろうか?


この箱庭はとても幸せに満ちていて、何一つ不自由もない。

この箱庭にはきちんと私の居場所も用意されているし

私に『愛しているよ』と優しく囁いてくれる人たちさえいるのに。




私は、孤独なのだろうか?


この箱庭はとても悲しくて、何もかもが不自由で。

この箱庭には私の居場所なんて実は1ミリもなくって、

私に囁かれる『愛しているよ』という台詞はとても虚しく感じる。




問いかけたくても私の周りにはその答えを持っている人がいなくって。

いつも私の質問は空に虚しく消えて逝く。

そうだ、ならばその答えを知っている人を探しに行こう。




世界は広い、空は何処までも続いているって、昔誰かが教えてくれた。

私にはそんな広い世界へ、何処までも続いてる空へ、羽ばたける羽があるのだから。









私は贅沢なのだろうか?

(私は孤独なのでしょうか?)









いつも気持ちは空を自由に飛んでいるのに。

現実の私は、いつも地を這い蹲る。

羽はもがれて、足には鎖を繋がれているのだから。



誰にも、一生問いかけることができないこのナゾナゾ。

一生解けるはずない、このナゾナゾ。




いつも私の呟きは

誰の耳に聞き入れてもらうことなく、何処までも続く空へと吸い込まれてゆくのだ。



















境界線

















「久しぶりに来た。10年ぶりぐらいか?」


「久しぶりに来たのは確かですが、正確には25年ぶりです」


「あっれ、そんなに来てなかったっけ」




駅から降りると、丸い形をした広場があり、そこから放射線状に道が広がっていた。

道は全て煉瓦作りで、ど真ん中には噴水。

きっと昼間には人の熱気で賑やかであろう広場は、

今はただ空に浮かぶ猫の目のような月から漏れる光で薄く照らし出されていた。

真ん中にある噴水の水が、その光を淡く反射して少しだけ幻想的な雰囲気をかもし出している。



最後に来たのは25年前か。

そう言われてみれば、噴水近くにある時計が

最後に見た時と比べて少し錆びれているかもしれない。

自分のあまりの体内時計の狂いっぷりに、

男は少し長い赤茶色の髪を掻き揚げ、独り苦笑を漏らす。




「どこに行かれますか?」


「とりあえず、予約した宿行くか」


「了解いたしました」




ズボンのポケットから懐中時計を取り出し、時刻を確認した後呟く。

久しぶりに長い間あんな固い椅子に座り、延々と揺られていたためか

とてつもなく疲れた。

いつもの調子で喋ってはいるが、実は瞼が重く、数秒目を閉じたら

直ぐにでも夢の国へ直行してしまいそうである。



隣に佇む、頭一個分低い少女にも少年にも見える己の連れにそう答えると

銀髪の長い髪をした彼の連れは、コクリと一つ頷き、スタスタと歩き出した。



足元に置いた茶色い革のレトロな雰囲気漂う旅行鞄を持ち上げる。

大きさの割りに、意外と軽い。

必要最低限の物以外は、なるべく入れないようにしているからだ。




─── ……・・・



数歩歩いた所で、男がふと立ち止まった。

男の連れは首だけ振り返り「どうかいたしましたか?」と尋ねる。





「あー・・・いや、うん。今なんか聞こえなかった?」


「いえ、自分は探知しておりません。空耳ではないでしょうか?」


「あ、そう」






道案内、続行いたします。

無機質な声でそう言うと、彼の連れはとっととまた歩き出した。

男は少し納得いかないような顔をしつつも、その背中に続く。



しかし、もう一度だけ立ち止まり、ふと空を見上げた。






「───・・・・・・なんか猫の目みたいな月だなぁ」






特に意味のない男の呟きは

誰の返事が返ってくるわけでもなく闇に消えた。