玄関の扉が開いた。

冬の冷気が足元に流れ込んでくる。

「さあ、旅の始まりだ」

ここにくると彼の息は
自分でもわかるほど荒くなっていました。

「ハア、ハア、
アリスちゃんに、やっと会える」

「これ、私が作ったアリスちゃんごはん。
たべやすいように固めてみたの」

ジュジュくんファミリーと再会した後、
私たちは前からいこうと決めていた
「バイエルン」にいきました。

「ぶたモンじゃないよ」

「ようこそ、ジュジュくんファミリー♪」

「ルナじゃないよ」

バイエルンは、
ドイツマイスター伝統製法の
ハム・ソーセージ工房に隣接する
欧風料理店です。

こだわりの食材で作られる
ハム・ソーセージは、
本場ドイツのコンテストでも
金賞を受賞した逸品です。

「ハムはこうしてたべなくちゃ♪」

「私にも...」

食事の後、
「阿蘇ファームランド」横の
空き地で遊びました。

ジュジュくんは、
やはりじっとしていられませんでした。

「アリスちゃんが
生きててくれていることが、
うれしいんだ！」

なんだか世界の中心か台風の目が、
突然私の前にやってきたようでした。

生きることに極意があるとは、
私は思わない。

だけど、
ある素晴らしいものを
つねに変わらぬ新鮮さで、
日々発見し続ける人生があるなら...

それはほとんど
理想の生きかたではないのかな。

「クン、クン、
ジュジュかあさんの匂いがする」

「これも最高の朝食？」