「早く、アリスちゃんに会いたいです」

その一行が
目に焼きついてしまいました。

ジュジュかあさんも
自分に会いたいのだと
思ってくれていることが
むやみにうれしかったのです。

土曜日の朝は雨でした。

一緒に来る、もなか親分が
雨女だからかな...。

１ヵ月半ぶりの再会は、
「あそ望の郷」に
午後一時まで、と約束しました。

私が約束の場所についたとき、
すでにジュジュくんファミリーと
もなかくんファミリーは
ドッグランで遊び終え、
物産館の前で待っていました。

ジュジュくんは、
笑顔で尻尾を振ってくれました。

「アリスちゃん、また会えたね。
この日を迎えられたことに、
心から感動しています」

「ありがとう、私、みんなに
ほんとうに感謝してる。
みんながいなかったら...私」

私も笑って尻尾を振りました。

そこからは、
おかまど山の麓にある
「和食　恵の」さんにむかいました。

パパが２５日が誕生日の
ジュジュかあさんのために、
予約をしていたのです。

「なんだか、すごいですね」

ジュジュかあさんは
感激したようでした。
大きく息を吐き、
うれしそうにいいました。

私はぼんやりと
ガラスの壁のむこうでざわめく
気どらないパーティを眺めていました。

パパ、ママ...
私の代わりにその人を祝ってあげてください。

私は音もなく唇を動かしました。

「オ・メ・デ・ト・ウ」

ふたつの誕生日