ママとパパは、
早起きをして大そうじをしています。

私はじゃまみたいだから、
トイレにでもいきます。

「コッコッ、アリスちゃん。
右目見えないんでしょう。
一緒にいってあげるよ」

「ねぇ、ヤキトリ。
ヤキトリは、神の使いなの？」

「それは、ひみつ」

大そうじの途中で、
ママとパパはそばを食べました。

そばは、他の麺類よりも
切れやすいことから、
「今年一年の災厄を断ち切る」
という意味で、
大晦日の晩の年越し前に
食べるそうです。

それからです。
私がシャンプーに出されたのは。
やっぱり、私がじゃまなんだ...。

「また来たよ」

「良かった、また来てもらえて」

シャンプーは２時間で終わりました。

知らせを聞いたママとパパは、
すっ飛んできました。

「私がじゃまだったから、
シャンプーに出したんでしょ」

「ちがうよ！
アリスの今年一年の災いを
シャンプーで流してもらったんだ。
きっとこれで、良い年が迎えられる」

「そうだったの、愛してる」

今年は切ない悲しい出来事に
心を痛める日々が多い一年でした。

しかし、なぜでしょう。

目を閉じると、
元旦の朝の青く澄みわたった
青空が見えるのです。

まぶしいほどの青い空が...。

夜。
田舎のママの母から電話があって、

「寒い日は、身体を冷やさないように」

とそれだけを言われました。

「キアラちゃん、ありがとう」

大そうじの日