臼杵の旅は、
「国宝臼杵石仏」から
始まりました。

わたしたちは、
目前の石仏公園を横切って...

大日如来様へと
真っすぐに進んでゆきました。

そして、祈願用紙に、
それぞれに願い事を書きました。

ママとわたしは、
同じことを書きました...。

「ナマズがじっとしていますように」と。

フー子は、
拾ってきた猫の
病気が治ることと、
お梅が優しくしてくれることを
願いました。

吹き上げてくる風は
澄みきっていて、
肺のすみずみまで洗われるようです。

ここで暮らす人々には、
この眺めもこの空気も
日常のものかと思うと、
羨望をおぼえます。

「また、来ます！」

ママは力強く言うと、
その場を離れました。

臼杵石仏から車で約２０分。
次に向かったのは、
「二王座歴史の道」でした。

二王座は、
阿蘇山の火山灰が固まってできた
凝灰岩の丘で、
あちこちの岩を削り取って
道を通しました。

臼杵を代表する景観の一つで、
細い路地には
武家屋敷跡や漆喰壁の古蔵、
歴史ある寺院が軒を連ねています。

この町で作家、
野上弥生子が生まれました。

ママのバイブルでもある、
「アルプスの少女ハイジ」を
日本で最初に翻訳した人物です。

臼杵さんぽ