あるとき、
子供ができない
オカマカップルのもとに、
天使が舞い降りました。

天使の名前は、
ネネ子ちゃん...。
友達のネーネさんが、
夜なべをして編みだした、
自身の分身でした。

「しあわせになろうね」

その日、
岩国を発ったネネ子ちゃんは、
火の国熊本に向っていました。

傍らには、
友達のジャスママさんと
ビームさんが寄り添っています。

ジャスママさんと
ビームさんが、
熊本駅に降り立つと、
ママは笑顔でかけよりました。

オカマカップルの
お梅とフー子も
ネネ子ちゃんを
笑顔で迎えました。

「ようこそ♪
ジャスママさん、ビームさん」

それから一行は、
阿蘇経由で、
黒川温泉を目指しました。

阿蘇で、
イケメン店長と、
にせモンも合流しました。

それをきっかけにして、
ネネ子ちゃんと
仲間たちの
交流が始まりました。

ジャスママさんと
ビームさんも、
ネネ子ちゃんが
阿蘇の友達を
心の底から
慕っているのを感じ、
うれしそうでした。

「ねぇ、
ジャスママさん、
ビームさん...。
私がここに来た
本当の理由は何なの」

やがて、
ネネ子ちゃんが
重い口を開きました。

「それはね、
あなたが、
新しいパパとママに
出会うためよ」

ふたりはささやきました。

「だったら、
子供ができない
お梅とフー子がいい」

いつしか、
ネネ子ちゃんは、
自分の幸せよりも
相手の幸せを願う、
優しい少女へと
成長していたのです。

その夜、
お梅とフー子の瞳から、
涙が止まることは
ありませんでした。

ネネ子物語