メリーの病院 | 続・阿蘇の国のアリス
メリーちゃん、わかるかな。


クリスマスローズだよ。


「メリー、
アリスのドッグランにいくぞ!」

「はい、アリスパパ」




「セイタカアワダチソウを
たべて...」


「バナナのようなフンをしたら...」




「旅の始まりです」




「美しい国...、阿蘇の国」


「きょうは
ペットクリニックの
長井先生に会うから、
コツツボアリスちゃんも
一緒にいこうね」


「イケヤアリスちゃん、
おはよう♪」

(メリーちゃん、おはよう♪)


「病院にいこうね~」


「ゲッ!」


「お世話になった先生に、
ケーキを持っていきます」


「テヘッ♪」


「アリス、メリーちゃんを
守ってあげて...」




「アリス、帰ってきたよ」




「気もちいいな、こういうの
小春日和っていうんでしょう」


「ちがうよ、
小春日和っていうのは、
冬の終りの
あったかい日のことを
いうんだよ」




「こわいよ...」


「ぼくがついてる」


「メリーちゃん、
やさしい顔をしてるね。
よろしくね♪
歯もきれいだね...」


「耳は以前けがをしたのかな。
耳血腫(じけっしゅ)に
なってるね」


「これは、乳頭腫...」


「...良性の上皮性腫瘍ですね」


「大きな病気はなさそうだね。
ワクチン(10種)を
打っときましょうね」


「ゲッ...」




「寄生虫もいないね」


「次回は
健康診断をしましょうか?」

「おねがいします」


「アリスちゃん...」


「アリスちゃん、
今でもゴールデンを見ると、
あなたのこと思いだすのよ」


診察が終わると、
メリーちゃんは鼻を鳴らして、
クリニックを大股で
でていきました。


お梅パパとフー子ママも
あとを追いました。


メリーちゃんは
駐車場で立ち止まり、
空を見ました。


春の短い夕焼けでした。

雲も灰色がかったバラ色、
そのすきまからこぼれる光は
ピンクシャンパンのように
澄んでいました。

メリーちゃんは
白いからだを夕日に染めて
フー子ママにいいました。

「とてもきれいだね」