目はいつのまにか | 続・阿蘇の国のアリス


太宰府天満宮を
後にした私たちは...


「鳥栖プレミアム・
アウトレット」
へと向かいました。


只今、スプリング
スペシャルセール開催中です。

「ワク♪ワク♪」


「最初に、
チョコレートのお返しに
何足か靴買っていい?」

「うん」


「チョコも買う?」


「ママも買っていいよ」


「たくさん買った...」


「ドッグデプトはいいや」




生きることに
退屈していたぼくには、
あれほど新鮮な日々は
なかった。


世界はアリスとぼくを中心に
まわっていた。


世のなかなど
メリーゴーランドの
景色のようにあわただしく
とおりすぎていく、
ただの背景にすぎなかった。




絶対に動かない
世界の中心には、
ぼくたちが
おたがいだけを見つめて
ひっそりと生きていたのだ。








目はいつのまにか
漂いだして、
アリスの姿を探している。


「72時間ラーメン、
美味しかった?」