クリスマスまで | 続・阿蘇の国のアリス
火曜日(21日)は、暖かな朝でした。


その日目を覚ました私とママは、
パパに連れられて
熊本市内の病院にむかいました。

そう、今日はママの月一の診察日です。


受付をすませたママは、
いつものように、
血液を抜かれ、
レントゲンの画像を撮影されました。


その後、
呼吸器内科がある二階のフロアで
友達のブログを読みながら
順番を待ちました。

ママは最初に自分が
告知を受けたときのことを
思いだしていました。

「あのときはひどく取り乱しちゃって...」


ママは2014年秋から
3ヵ月以上、
空咳が続いていて、

2015年2月19日、
4件目の病院でようやく
肺に転移のある、
進行したⅣ期の肺腺がんと
診断されました。

薬物療法を始めたのは、
2015年4月10日。

現在2年7ヵ月間、
薬物治療を持続しています。


「がんなんて、
消しゴムで消えちゃえばいいのにね」


検査が終わると、
ふたりは大好きな鶴屋デパートにいきました。


普段はあまり食べない
ラーメンをほおばりました。

「大道産子市、楽しいね♪」


「珈琲も美味しい...」








ママはたくさん買い物をしました。


パパはあかぎれがひどくなっていたので...


馬油を買いました。




リビングの窓の近くの壁に
立てかけられているのは、
おおきな姿見です。


その鏡の前に寝そべり、
自分の目を見つめました。


ママのためにも、
パパのためにも、
そして誰より自分自身のために、
生きなければならない。


なにがあっても生きるんだ。

クリスマスまで...

ママとパパの大好きな日だから。


私は鏡のなかにうなずくと、
闘うためのベッドに戻りました。

「しらす母ちゃんさん、
お誕生日おめでとうございます♪

そして、まりババさま...
おやすみなさい」