砂時計きみとすごした7年6ヵ月のあいだ、きみの生のスピードが落ちることはなかった。ありがとう、アリス。きみが命の火を燃やして、ぼくに教えてくれたのは、いつだって今を生きること、それだけだった。雨のなかでも、走りたければ走る。食べたいものがあれば、必ずものにする。反省や後悔はしない。砂時計のようにこぼれ落ちる時間を手のなかに握りしめ...胸に輝く記憶を焼きつけている。覚えてるかい、アリス。ふたりで吹雪のなかを駈けぬけた日のことを。