復活、ピュアリィレストラン | 続・阿蘇の国のアリス
ママの検査はもう手慣れたものでした。


いつものように血液を抜かれ、
腫瘍マーカーを調べる。

画像診断はレントゲンです。

ライトボックスに
フイルムをさした担当医は、
じっと画面を見つめています。

ママの代わりにパパがいいました。

「先生、どうでしょうか」


ちらりとパパに目をやって、
若い医師はいいました。

「変わらないですね、順調です」


病院で検査結果を聞いた帰り、
二人はランチをとることにしました。


ランチは8月5日に
リニューアルオープンした、
「ピュアリィレストラン」さんへ。




私といっしょで、
この病気の一番の恐ろしさは、
生きる希望がつぎつぎとへし折られ、
肉体よりも先に精神が
真っ黒な絶望につき落とされることでした。




しかし、私とママは、
最後までだいじょうぶです。

いつだって、
パパが全力で笑わせてくれるから。


「あの、すいません。
そこのお掘り、
コイが泳いでいますよね。
フ、あげてもいいですか?
えっ、いない...。
みんなでカープの応援に行ったのかな」


「パパといると、
自然に笑みが浮かんで、
病気への嫌な思いが消えていく。

抗がん剤などより遥かに、
こちらのほうががんに効くんじゃ
ないのかな」










「ママ、買いすぎ」


「ママ、がんばったね。おりこうさん♪」