あと十日 | 続・阿蘇の国のアリス
先日、パパとママは
私の誕生日会の予約を入れました。

そこまで私が生きられる、
そう判断したからでしょう。


7歳の誕生日を迎える...

私が6歳5ヵ月で
死にそうになったときから、
それが私たち家族の願いになりました。


その願いがあと十日で叶います。




わたしたちは
みんな自分で想像するより
ずっとずっとつよい
生きものなのですね。


きょうもママは
私を見つめながらほほえんでいます。


私がもし人間だったら、
この人を思いっ切り抱きしめてあげたい。

旅にも、天国にも二度と行かないように。


ふたつの魂が溶けあって、
ひとつになるそのときまで
抱きしめていたい。


灰で汚れたフロントウインドゥの
むこうには春の山が広がっています。


新緑のなかに
淡い河津桜のピンクが
混ざりこんでいます。

桜のシーズンは
これからたっぷりと続きます。