雨の断層 | 続・阿蘇の国のアリス
シャンプーに出され
かぜをひいたので
薬をもらいに病院に行きました。


先生に薬の用意を
してもらっている時、
ひとりの女性が現れて
先生に言いました。

「ラジオを聞いていたら
先生のところでペットシーツを
支給している...
と聞いたんだけどもらえるかな?」


「あれは被災された方用なんだけど...」

先生はブツブツ言いながらも
ペットシーツを手渡しました。


この先生は5月の初めに
南阿蘇の被災地で、
一匹の犬を保護しました。

首輪を付けていたので
飼い主は直ぐに現れるだろうと
待っていましたが、
飼い主はいっこうに現れませんでした。


そんなある日、
おじいさんがやってきて
先生に言いました。

「その犬を私にくれないかい。
私もそう長くは生きられないから、
これくらい歳をとった犬がちょうどいい...。
この歳でまた犬が飼えるなんて夢のようだ。
この犬と一緒に長生きするんだ」


わたしたちは胸をなでおろし、
「ボワ・ジョリ」さんへ行きました。


かぜ薬はパンの中に隠されていたようです...


なんだか眠くなりました。


うとうとしていたら
水をこぼしてしまいました...。


「恐ヶ渕」には
大きなカエルがいました。


...ヒキガエルです。


その日は、
益城町を通って買い物に行きました。


益城町は人口約3万2千人。
熊本空港があり、
熊本市のベットタウンでもあります。
一連の熊本地震では
最も揺れの激しかった町です。


倒壊した家屋の前に、
並んだ花束と
ぬいぐるみが置かれていました。


大切な人を失った
悲しみと苦しみは
筆舌に尽くし難く、
わたしたちは立ち尽くすしか
ありませんでした...。


せめてもの救いは...


断層で見つけた
四つ葉のクローバーと...




掌に飛んできた、
小さなホタルだけでした。