本震が起こる５時間前...。
僕たちは、
「俵山トンネル」を抜けて、
街にゆきました。
それから、
「阿蘇大橋」を渡って、
南阿蘇へと帰って来たのですが、
その３時間後、
橋桁は落ちてしまいました。
「俵山トンネル」も
その時に崩落してしまいました。
本震の時、
ママはテレビが倒れないよう
両手で支えていましたが、
からだは宙に浮いていました。
僕はというと、
とっさにアリスを抱えて
外に飛び出していました。
僕は昔から、
逃げ足だけは
誰にも負けなかったのです。
ママは呟きました。
「ほんとうは、私よりも
アリスの方が大事なんでしょう...」
話は変わって、
今日、保険会社から
損害の状況確認が来ました。
柱にひび...
梁にずれ...
天井にすきま...
屋根裏にスズメの巣あり...。
とういことで、
損害の程度は、
建物は「半損」でした。
ちなみに、
家財は「一部損」でした。
そこでママが一言。
「今度からテレビは知らん！」
僕たちが生きていくうえで、
なんら支障がございませんので、
ご安心くださいますよう
お願い申し上げます。