ママの傍へ | 続・阿蘇の国のアリス
朝、
シクシクと
泣いているママの夢で、
僕は飛び起きました。

あわてて隣に目をやると、
ママはまだ、
スヤスヤと眠っていました。

昨夜、
ママが泣いて、
僕もつられて泣いたからでしょう。

雨の午後...


ママに元気になってもらおうと、
南小国へと出発しましたが、
途中で引き返すことになりました。


風のもりのカナちゃんから、
風のもりも、黒川温泉の一部も、
まだ再開できていない、
と、聞いたからです。


休業中の会社に行くと、
お梅がいて、
フー子のために
ホタテフライを揚げていました。




ママはそれから、
スーパーにいって、
キノコ鍋の材料を買いました。


なぜキノコ鍋かというと、
キノコだけが
大量に売られていたからです。


雨が小降りになって、
わたしたちは、
ふたたび草原にゆきました。


わたしは心の中で
ママに話しかけました。

ママの頬をつたう涙が、
星になればいいのにね。

流れ星となって、
ママの願いを叶えてくれたなら、
どんなにうれしいことでしょう。


その夜から、
わたしはママの傍で
眠ることにしました。
わたしたちが
深く愛し合っているからです。

「アリスに触れていると安心するね」

そう言ってママは、
フカフカのわたしの首筋に、
深々と鼻をうずめるのでした。