要らねえよそんな人生。
前のバンドの解散がイタかったからもうやらない、組まないって言ってるのに
澤田がすげー執拗に誘って来て、最終的には「お前楽器もって立っててくれればいいから」って
失礼だろ
そして嘘だろ。
また騙された。
あいつの強引何時直るんだ。高校時代より拍車かかって来てる。
年期入って来てる。重症だ。
それが二か月前でバンド名決めるとか照れくさいからなんとなしに言われてスタジオ入って
いわれたように順応にコード弾いて 何尽くしてるんだか。
マック食ってそのあと「反省会」をするんだが俺が本当に反省してるのは此処に居ちゃってる事。
薄まってくコーラかき回してストロー噛んで相づちうってりゃオーケーな筈。
煙を吐き出してシーラカンスのことを考える。肉キ、漢字思い出せないけど
あの腕みたいなとこが恰好良いのよねあいつ
そいやガキ使録画したの観てないなまだ
図書館の本返せってまた電話きたことまで思い出して憂鬱。
澤田から劇的な一言
「この後対バンする奴らくるから」
は?ライヴ演るんすか?
「大丈夫だってー」
大丈夫って大男って意味だぞ。174センチは大男じゃない。中男だろ。
頗る不愉快でまだ帰れんと知って紙ナプキンを細くちぎって並べた。
「よーう、久し振り」
まあまあおもむろなバンドマン来ちゃった。バンドメンズ?
ギターの男は目が強い。ベースの男はやたらににこにこしている。ドラムはなんか、男気だねえ。
いけすかないのがボーカルギターの女だ。
弾けなさそう。俺より。
ギター重いだろうけどそんな怒ってどさっと置かなくたっていいんじゃない?
俺のちぎった紙ナプキンがひらひら数枚落ちたんですけど。
金髪の女はにこりともせず軽く会釈してテーブルの端で徐に煙草に火を着けた。
あいつも人見知りとみた。
眼鏡を気持ちより深く掛け直す。
色々聞かれてああ、ええ、まあ、いやあ、ですねえ。いえいえ。
緊張しているとか人見知りしてるとかおくびにも出さんようにしてるけど
食ったばかりのフィレオフィッシュ君が胃を攻撃しはじめたのでおいとますることにした。
女は「お疲れしたー」
と言って目を視ないように会釈した。
女の癖に。
お疲れした―、の空耳がむかつくことにこれで11回目
レッドアイ飲んで、早く寝る。
優しい音楽が聴きたい。塞いで欲しいけど、興奮するとまた眠れなくなる。
ブラックスターとか聴くとなんか泣きそうだから
ルービックキューブに没頭